(ブルームバーグ):ベッセント米財務長官は、米政府の借り入れコスト上昇に対応し、財政再建に一層重点を置く新たな取り組みを近く発表する。詳細の公表を控え、ヘッジファンドはドルの弱気ポジションを積み上げつつある。
米財務省が19日、長期国債の買い戻し上限額を2倍以上に増額すると発表したことを受け、ドル相場は1日としては約3週間ぶりの大幅安となった。そうした圧力は21日も顕著に表れ、ドルは下げを拡大した。
バークレイズのG10外国為替トレーディング共同責任者トルステン・シェーンボルン氏は、複雑なデリバティブ(金融派生商品)ではなく、ストレートな為替取引の領域(リニア領域)に言及し、「特にヘッジファンドの顧客から顕著な反応が見られた。8月を通じてドルの供給が持続する中で、売りが加速した」と分析した。ただ中長期的に安定的利益を目指す投資資金、リアルマネーにはそれほど方向感がなかったという。
米政府の借り入れコスト抑制を目指すベッセント財務長官の積極的アプローチに対し、一部投資家は、最終的にドルが代償を支払うことになり、米財務省が積極的な利回りの管理にかじを切れば、ドルの信認が弱まると考えている。
ドルを巡る悲観論は、オプション市場でもはっきりうかがえる。ブルームバーグの指標によると、今後1カ月のドル下落に備えるオプション価格(プレミアム)は、上昇リスクに備えるヘッジコストと比べ、今年2月以来で最も高くなった。
シティグループのアジア外為オプション取引責任者、アクシャイ・サクセナ氏(シンガポール在勤)は「米財務省による長期国債買い戻しの増額発表以降、外為オプション市場の至る所でドルの下落に備えるヘッジの需要がより広範に確認された」と指摘した。

サクセナ氏によれば、スイスフランのインプライド・ボラティリティー(IV)に最も急激な価格の再評価が反映された。IVは通貨の将来の変動率を予測する指標であり、オプションのプレミアムに直接影響を与える。
同氏によると、スイスフランの1カ月物IVは先週、過去2週間余りで最も高い水準に跳ね上がった。機関投資家の間で、米ドルの下落に備えるプット(売る権利)オプションの仕組み取引への関心が再び高まり、ユーロ、英ポンド、カナダドルの指標も同様に上昇したという。
米証券保管振替機関(DTCC)のデータによれば、8月21日時点の1億5000万ドル(約238億円)以上の契約額に基づく比較では、米ドルの下落時に価値が高まる対ユーロのプットオプション需要は、コール(買う権利)オプションの需要を47%上回った。
原題:Hedge Funds Ramp Up Dollar Shorts Ahead of Bessent’s Fiscal Plan(抜粋)
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