(ブルームバーグ):米国とカナダの通商協議が21日、決裂した。事情に詳しい複数の関係者によると、カナダ製の中・大型車に対する米関税の引き下げを巡り、土壇場で折り合わなかったことが一因となった。
協議が非公開であることを理由に匿名を条件に語った関係者によると、両国は、自動車、鉄鋼、アルミニウム、木材に対する米国の関税を引き下げる方向で合意案の大枠をまとめ、21日も詰めの協議を続けていた。ただ、大型車の扱いを巡って双方の溝が埋まらなかった。
関係者によると、カナダ側は21日夜遅くの電話協議で追加の関税軽減を求めたが、米国側は難色を示した。
両国が目指していた合意では、通常の自動車関税を現行の25%から15%に引き下げる予定だった。カナダは、この措置を大型ピックアップトラックや商用車などの中・大型車にも広げるよう求めていたという。

カナダのカーニー首相は22日、それまで関税引き下げの対象とみていたトラックを対象外とするのは「明らかに大きな変更だ」と主張。トラックが除外されれば、米フォードのオンタリオ州の新工場で生産されるF-350などの大型ピックアップトラックも関税引き下げを受けられなくなるとし、トラックを除外することに「合理的な理由はない」と述べた。
一方、関係者によると、米国側は、トラックへの関税引き下げはそれまでの合意案には含まれておらず、カナダ側が新たに持ち出した追加要求だとみなしていた。
カナダの自動車業界関係者の1人は、業界を分断しようとしたのは米国側だと述べた。
カナダの自動車部品製造業協会(APMA)のフラビオ・ボルペ会長は22日、カナダ放送協会(CBC)に対し、フォードのF-350などの大型ピックアップトラックについて「土壇場になって、米国側は関税引き下げの対象となる製品区分から、この分類を外した」と指摘。その狙いは「カナダの自動車生産をなくす」ことだった可能性があるとの見方を示した。
双方は協議が突然決裂した責任を相手側にあると主張した。決裂を受け、米国は約200億ドル(約3兆1800億円)相当のカナダ製品に新たに50%の関税を課した。カーニー氏は22日、9月8日から米国製品に同額の報復関税を課すと発表した。
原題:Canada Demand for Trucks Tariff Relief Imperiled Trade Talks (2)(抜粋)
--取材協力:Melissa Shin.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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