米スペースXやASTスペースモバイルなどが、グレイン・マネジメントの保有する周波数帯の取得に関心を示している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。宇宙から携帯電話への直接通信に利用する上で価値の高い周波数帯だ。

グレインが今月、TモバイルUSとの周波数交換を完了したことで、今回の800メガヘルツ(MHz)帯の免許が売却対象となった。米連邦通信委員会(FCC)が承認した取引条件では、十分に活用されてこなかった同周波数帯の利用を進めるため、グレインが入札を募ることになっている。FCCは11月5日までに入札を終えるよう求めている。

非公開の協議だとして匿名を条件に語った関係者の一部によると、ワシントンを拠点とするテクノロジー・通信投資会社のグレインは、関心を寄せる企業に9月第1週までに初期提案を出すよう求めた。

関係者の1人によれば、グレインは免許売却で約60億ドル(約9500億円)を得たい考えだが、周波数帯の利用権を貸し出す可能性もある。新たな応札者が現れることもあり得る。

スペースXとAST、グレインの担当者にコメントを求めたが、すぐには返答が得られなかった。

スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、同社がこの周波数帯に関心を持っているとの見方を否定したもようだ。ブルームバーグの報道に言及したユーザーの投稿に対し、X(旧ツイッター)で「事実ではない」と返信した。

今回の免許は米国のほぼ全人口をカバーしており、衛星通信事業者がネットワーク・パイロットと呼ばれる音声サービス向けの地上系接続を確立する上で価値が高いとみられている。関係者の1人によれば、800MHz帯はこれまで地上のモバイル通信サービスにしか使われてこなかったものの、グレインは衛星通信と地上通信が同帯域で共存できると確信している。

FCCは、地上通信のカバー範囲の空白を埋め、宇宙通信産業で米国の主導的地位を維持するため、新世代の衛星通信ネットワークの成長を促したい考えを示している。

Tモバイルは2020年にスプリントと統合した際、800MHz帯を引き継いだが、免許を一度も活用しなかった。当初は、全米第4の携帯通信事業者を立ち上げる役割を担っていたディッシュ・ネットワークに周波数帯を売却する計画だったが、ディッシュは最終的に免許の購入を見送った。

FCCはTモバイルがこの周波数帯をグレインに譲渡し、代わりに600MHz帯の免許と現金29億ドルを受け取る取引を承認していた。

原題:SpaceX, AST Said Seeking to Buy Spectrum Valued at $6 Billion(抜粋)

--取材協力:Edward Ludlow、Sana Pashankar.

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