(ブルームバーグ):米小売り大手ウォルマートの5-7月(第2四半期)売上高は市場予想を下回った。同社としては異例の下振れで、低成長が続く米経済と歩調を合わせるように、同社の業績も減速しているとの懸念が強まりそうだ。
米国内の既存店売上高(燃料除く)は前年同期比2.6%増となり、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の最低値にも届かなかった。主に薬局事業での価格圧力が重しとなり、伸び率は6年余りで最も低かった。
ウォルマート株は20日のニューヨーク市場で一時9.9%下落し、日中の取引としては2022年5月以来の大幅安となった。年初から19日まででは2.6%上昇していた。
今回の決算は、投資家の期待が高まる中、高い成長率を維持することが一段と難しくなっていることを示唆している。
ウォルマートは連邦政府との交渉による医薬品価格の引き下げが、米国事業の売上高の重しになったと説明した。買い物客の1回当たりの支出額が前年同期を下回った一方、取引件数はほぼ同水準を維持した。電子商取引(EC)の売上高は増加した。
第2四半期は逆風に直面したものの、ウォルマートは通期の売上高と調整後営業利益の見通しを引き上げた。同四半期には関税の還付を受け始めており、経営陣は今後も値下げの原資に充てる方針だ。
ヘルスケア事業が重し
ジョン・デービッド・レイニー最高財務責任者(CFO)はインタビューで、連邦政府による医薬品価格交渉がヘルス・ウェルネス事業に想定以上の影響を及ぼしたと述べた。この問題は「一時的」ではあるものの、来年まで続くとの見通しも示した。

ヘルス・ウェルネス事業を除く米国の既存店売上高は3.4%増加した。ウォルマートは商品の値下げを続け、食品を含めて市場シェアを拡大した。レイニーCFOは、消費者への圧力が強まる中、同社は値下げする商品を「極めて戦略的に」選んでいると述べ、牛肉を例に挙げた。それでも、小売業界の競争は引き続き激しい。
米最大の小売企業であるウォルマートは景気のバロメーターとみなされており、米経済の健全性を見極めようとする投資家から幅広い注目を集めている。
インフレや地政学的な緊張への懸念が続く中でも、消費者の支出はここ数カ月、安定した水準を維持している。支出に慎重になる消費者が増える一方、買い得な商品や特色のある商品を求める動きは続いている。
一方、ガソリン価格が高止まりする中、低所得世帯は支出を抑えている。8月には消費者心理も3カ月ぶりに低下し、労働市場にも弱さの兆しが表れている。
UBSセキュリティーズのアナリスト、マイケル・ラッサー氏は20日付の顧客向けリポートで、ウォルマートは目先いくつかの課題に直面しており、今回の四半期決算を受けて株価は下落する可能性が高いと指摘。「長期的な投資判断の基本的な前提は変わっていない」とした上で、同社は市場シェアの拡大や顧客との関係強化、収益源の拡大に向けて有利な立場にあると付け加えた。

原題:Walmart Slides After Slowest US Sales Growth in Six Years (1)(抜粋)
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