(ブルームバーグ):原油相場は20日、トランプ米大統領がイラン経済に打撃を与えることを狙った措置を表明したことで、5営業日連続で上昇している。
国際指標の北海ブレント原油は、一時1バレル=93ドルを上回った。前日までの4営業日で5%超上昇していた。米国産標準油種のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は87ドル近辺で推移している。トランプ氏はソーシャルメディアへの投稿で、今回の措置について「前例のない規模の経済戦争と孤立化だ」と述べた。また、「これは経済版Dデー(攻撃開始日)となる。イランの脅威を孤立させ、打ち破るため、全ての同盟国が米国と共に立ち上がる必要がある」と呼びかけた。
トランプ氏は詳細を明らかにしていないが、金融機関や企業、空港、政府機関を通じてイラン支援を容認する国が、甚大な経済的影響に直面すると警告している。密輸、現金の移送、両替所、船舶登録などを通じた活動を阻止する必要があるとも述べた。
イランの追い込みを狙う米政権の新たな措置は、中国を含め、イラン産原油の買い手と米国の緊張を高める恐れがある。
中国はイラン産原油の最大の輸入国だが、公式の税関統計では2022年以降、輸入は記録されていない。イラン産原油の大半を購入しているのは「ティーポット」と呼ばれる民間製油会社だ。米国によるこれまでの制裁の影響で通常より割安なため、こうした製油会社にとってイラン産原油の取引は魅力的だ。
米軍は、イランの港湾封鎖を続けている。船舶への脅威が続く中でも、ペルシャ湾岸の他の産油国の原油の一部は、ひそかにホルムズ海峡を通って運び出されているもようだ。トランプ氏は19日、同海峡を「大量の原油」が通過していると述べた。
石油ブローカー、PVMオイル・アソシエーツのアナリスト、タマス・バルガ氏は、「ニュースの見出しに左右される現在の環境では、トランプ氏の発言が価格を押し上げている。イランに対して経済戦争を仕掛けるとの威嚇が、イラン戦争の深刻化と受け止められるのは当然だ」と述べた。
米国の措置に対してイランが報復に出て、近隣諸国のエネルギーインフラなどを攻撃すれば、原油の供給、生産、輸出に一段の圧力がかかることになる。
アラブ首長国連邦(UAE)は18日、自国領土にミサイルを発射されたとして、イランとの全ての経済関係を断つと発表した。UAEはイランにとって主要な金融・ビジネス拠点で、この断絶によりイランの孤立は一段と深まる見通しだ。
原題:Oil Advances for Fifth Day as Trump Takes Aim at Iran’s Economy(抜粋)
--取材協力:Grant Smith.
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