ワクチンメーカー、米モデルナの長年にわたる株価低迷が続くと見込んでいた空売り投資家は、同社株の過去最大の急騰により55億ドル(約8700億円)の打撃を受けた。

モデルナの株価は19日、177%上昇。米メルクと共同開発した個別化がんワクチンが、後期臨床試験で悪性黒色腫(メラノーマ)の再発抑制に寄与したとの発表に反応した。

S3パートナーズのデータによると、この株価急伸で空売り投資家には約55億ドルの含み損が生じ、年初来の時価評価ベースの損失は約77億ドルに膨らんだ。

S3パートナーズのマネジングディレクター、マシュー・ウンターマン氏は「モデルナを空売りしている投資家にとって、極めて痛手の大きい値動きだ」と述べ、「19日の株価動向が、弱気ポジションを維持する投資家のリスク・リターンを大きく変える」と指摘した。

モデルナ株は今年、メラノーマの治験結果が発表される前から114%上昇。インフルエンザワクチンによって、縮小する新型コロナウイルスワクチン事業への依存から脱却できるとの期待から、投資家の買いが集まっていた。

同社株は新型コロナワクチンの需要減退を背景に4年連続で下落し、2021年のピークから約94%下落していた。

ウォール街のアナリストらは、今回の治験結果がモデルナに極めて大きな恩恵をもたらす可能性があると高く評価している。

ニーダムのジョセフ・ストリンガー氏は、モデルナにとってメラノーマ治験は「画期的な勝利」だとし、同社のがん領域事業が次の成長のけん引役になる可能性があるとの見方を示した。

ウィリアム・ブレアのマイルズ・ミンター氏は、モデルナの投資判断を「マーケットパフォーム」から「アウトパフォーム」に引き上げ、同社には新型コロナ事業から収益源を多様化する明確な道筋が見えてきたと投資家に説明した。

原題:Moderna’s 177% Surge Burns Shorts in ‘Painful’ $5.5 Billion Loss(抜粋)

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