(ブルームバーグ):トランプ米大統領は19日、急成長する分散型金融(DeFi)プラットフォーム「ハイパーリキッド」を米国内でも利用できるよう、米規制当局が取り組んでいることを明らかにした。国外で展開されている有力な市場インフラの主要部分を米国に取り込む目標を一層明確にした。
トランプ氏は、ホワイトハウスでのイベントで、「ハイパーリキッドを規制に完全に準拠した合法的な形で米国に導入するため、マイク(米商品先物取引委員会のマイケル・セリグ委員長)も取り組んでいると承知している。非常に懸命に取り組んでいる」と語った。
ハイパーリキッドは現在、米国外で運営されており、米国のトレーダーには正式に開放されていない。米国内に導入されれば、米当局の監督下で同プラットフォームを合法的に利用できる道が開かれる。
ハイパーリキッドはハドソン・リバー・トレーディングの元トレーダー、ジェフ・ヤン氏が共同創業した。主要な開発元のハイパーリキッド・ラボはシンガポールを拠点とする。
トランプ氏の発言を受け、同プラットフォームの暗号資産「HYPE」と、同トークンの保有を軸に戦略を組み立てるナスダック上場企業ハイパーリキッド・ストラテジーズの株価は大きく上昇した。
ティッカー「PURR」で取引されるハイパーリキッド・ストラテジーズの株価は19日、一時31%急騰した。同社は「デジタル・アセット・トレジャリー(DAT)」企業の一つで、実質的には暗号資産を積み増す上場企業だ。HYPEに重点を置くことで、従来の株式投資家にハイパーリキッドの成長に間接的に投資する手段を提供している。
米国の主要取引所運営会社の株価は下落した。Cboeグローバル・マーケッツは一時6.1%安、CMEグループは3.4%安となった。
永久先物で注目集める
ハイパーリキッドは、満期のないレバレッジ契約を通じて、トレーダーが暗号資産価格の動きに投機できる永久先物で最もよく知られている。今年は、株式や商品などのRWA(リアルワールドアセット=現実資産)に連動する永久先物契約に需要が集まり、ハイパーリキッドはウォール街の注目を集めた。こうした取引は、規制上の制約から主に米国外で盛んで、ハイパーリキッドはその主要市場へと成長した。
「トランプ氏のハイパーリキッドに関する発言と直後のHYPEの値動きは、デジタル資産を巡る規制と政治環境がいかに急速に変化しているかを示す新たな兆候だ」と、モナーク・アセット・マネジメントの最高執行責任者(COO)、アイシャ・キアニ氏は指摘。「注目すべきは値動きだけではない。分散型市場インフラが、主流の政策議論にますます入り込んでいることだ」と語った。
米商品先物取引委員会(CFTC)は最近、規制下にある米国のプラットフォームが永久先物契約を提供するための条件を提示した。暗号資産関連事業と取引活動を米国の金融システムに取り込もうとする、トランプ政権の幅広い取り組みの一環だ。
ハイパーリキッドのようなプラットフォームが米国で永久先物商品を合法的に提供する具体的な方法はなお不透明だ。規制順守の要件によって、分散型であることの魅力が損なわれる可能性もある。
いずれにせよ、米国での取引に道が開かれれば、ハイパーリキッドははるかに大きな顧客基盤と資本にアクセスできるようになる一方、米国の規制外で形作られた取引モデルが、規制の枠内で機能できるかが試される。
「ハイパーリキッドは融合の象徴的存在だった。従来の資産クラスが暗号資産の基盤上で24時間365日取引され、証拠金管理や決済も行われるようになるという考え方だ」と、ファルコンXのグローバル市場部門共同責任者、ジョシュア・リム氏は指摘。「政権と規制当局が同社を市場構造の革新者と認め、米国の市場参加者に門戸を開こうとしていることは非常に喜ばしい」と述べた。
原題:Trump Opens Door to Hyperliquid as US Pulls Crypto Trade Onshore(抜粋)
--取材協力:Lydia Beyoud.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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