英国企業の過半数が、AIによって新たな職種が生まれたとみている。企業が実験段階を脱し、AIを軸に採用の在り方を見直し始めている様子が浮き彫りとなった。

企業景況感調査「ロイズ・ビジネス・バロメーター」によると、英国企業の4分の1がAIスキルを持つ人材の採用を増やしている。5分の1はAIに特化した新たな職種を設けており、全体では54%がAIによる雇用創出があったと答えた。

英ロイズ・バンキング・グループで法人・商業銀行部門の最高経営責任者(CEO)を務めるアマンダ・マーフィー氏は、企業はAIへのアクセス確保から、「AIを効果的に活用するためのスキルや企業文化、自信を築く」段階へと重点を移す必要があると指摘した。

今回の結果は、AIを活用する企業に恩恵をもたらす一方、労働市場の幅広い分野で混乱を招く変化を浮き彫りにしている。調査は7月に1200社を対象に実施された。

オンライン求人情報からは、AIが二極化をもたらしている様子もうかがえる。企業はAIスキルを持つ経験豊富な人材を採用する一方、雇用コストの高止まりが引き続き重しとなる中、その他の分野では採用を絞っている。

ソフトウエア開発者やコンサルタントなど、AIの影響を受けやすい職種の採用は2022年以降、大幅に減少している。AIが最終的に雇用減につながるとの見方は、今やCEOの間で主流となっている。イングランド銀行(英中央銀行)の職員による分析でも、AIを利用する企業では生産性が向上しているものの、その恩恵と引き換えに雇用が減っていることが示された。

新首相のアンディ・バーナム氏は就任後の数週間、AIに対してより厳しい姿勢を示している。特に雇用や若者への影響について警戒感を強めている。

AIは英中銀当局者にとっても大きな関心事だ。ベイリー総裁は、AIの導入段階から、生産性向上につながる実用的な活用段階へと移行する難しさを指摘した。

AIには英国を成長低迷から脱却させる可能性がある一方、生産性への効果が表れるまでには時間がかかり、Jカーブを描く可能性がある。企業がAIの活用方法を習得する必要があるためだ。

ロイズの調査では、企業はAI人材の採用に加え、従業員向けの研修制度を新設・拡充していると回答した。

売上高1000万ポンド(約22億円)を超える企業の3分の2は、従業員が事業上の需要に対応するために必要なAIスキルを備えていると回答した。全体では半数強にとどまった。大企業の70%超は、生産性向上に向けAIへの投資を拡大する計画も示した。

原題:AI Is Starting to Create Jobs in the UK, Lloyds Survey Finds(抜粋)

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