(ブルームバーグ):インドは6月以降、海外在住のインド人から500億ドル(約7兆9500億円)を超える資金を呼び込んだ。これを受け、インド準備銀行(中央銀行)は外貨預金を引き寄せるための特別なスワップ制度を予定より1カ月早く終了する。
インド中銀が14日公表したデータによると、13日時点で非居住者外貨預金「FCNR(B)」を通じて銀行に流入した資金は523億ドル。海外からの外貨建て融資や対外商業借り入れを合わせると、総額は568億5000万ドルに達した。制度は9月30日に終了する予定だった。
中銀は、FCNR(B)預金向けスワップ制度への「心強い反応と、それに伴う外貨流入」を踏まえ、利用期限を8月31日までとすることを決めたと説明した。
IDFCファースト・バンクのチーフエコノミスト、ガウラ・セン・グプタ氏によると、前倒し終了は制度への反応が中銀の想定を上回ったことを示す。同氏は、同制度による流入額が最終的に700億ドルに達するとの見通しを維持している。
中銀は6月、海外在住インド人から預金を集める銀行の為替ヘッジ費用を負担し、これらの資金を担保とする借り入れも認めると発表した。銀行各行は外貨獲得を競っており、3500万人に上る在外インド人から資金を呼び込むため、5年物預金で最大7.75%の金利を提示している。
こうした資金流入は、原油高で通貨ルピーに圧力がかかる中、中銀にとってさらなる余力となる。中銀は過去1週間、外国為替市場に介入し、ドル・ルピー相場を狭いレンジに抑えてきた。
予想外の展開
中銀はわずか数日前、制度を前倒しで終了する可能性を否定していたため、今回の措置は市場参加者にとって予想外だった。週明けのインド債券市場では、とりわけ短期債に売り圧力がかかる可能性がある。中銀の特別制度を通じて銀行がドルをルピーに交換したことで国内の流動性が増え、短期債は特に大きな恩恵を受けていた。
ウジバン・スモール・ファイナンス銀行の財務部門責任者、ラジーヴ・パワル氏は「余剰資金は債券、特に短期債に振り向けられていた」と指摘。「中銀はリバースレポを通じて市場の余剰資金も吸収しており、預金制度の前倒し終了で流動性環境は悪化するとみられる」と述べた。
パワル氏は、17日に10年国債利回りが2-3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇する可能性があると予想。5年債利回りは5-7bpと、より大幅に上昇する可能性があるとみている。

中銀が一連の措置を発表した6月以降、5年債利回りは約47bp低下。10年債の25bp低下を上回っている。
スワップ制度の前倒し終了がルピーに大きな影響を及ぼす可能性は低い。既に同制度を通じて多額の海外資金が流入しているほか、ルピー相場のセンチメントは原油価格の変動に左右されている。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の為替ストラテジスト、ディラジ・ニム氏は「ルピー相場はもともと地政学情勢と原油価格の動きにより左右されやすい。このため、17日にルピーへの影響が出ても一時的なものにとどまる可能性が高い」と述べた。
原題:India Raises $50 Billion From Diaspora, Ends Swap Facility Early(抜粋)
--取材協力:Divya Patil.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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