(ブルームバーグ):ニューヨーク14日の外国為替市場で、円が対ドルで一時上げ幅を拡大した。日本銀行が今後数カ月以内に利上げするとの観測が強まっており、円相場は上昇基調となった。

円は対ドルで一時、前日比0.6%高い158円60銭まで買われた。政府・日銀による円買い介入への警戒が高まる水準として市場参加者が意識する160円から遠ざかる格好となった。
この日発表された7月の米小売売上高は前月比0.6%減少。2025年5月以来の大幅な落ち込みとなった。消費者が自動車やオンライン店舗での購入を控えたことが響いた。これを背景に、米連邦準備制度(FRB)の利上げ観測が後退した。
ただ、ニューヨークの取引終盤にかけては円はじりじりと上げ幅を縮小した。原油相場の上昇を背景に、米国債利回りが上げに転じた。
ブルームバーグ・ニュースは13日、事情に詳しい関係者の話として、高市早苗政権が円安を受けた日銀の早期利上げを支持しており、次回の利上げは9月か10月になる可能性が高いと報道。ロイター通信も14日午後、日銀が早ければ9月の利上げを検討していると報じた。

日米通貨当局による協調介入を受け円は3日に一時155円23銭とおよそ3カ月ぶりの高値を付けたものの、その後はなかなか縮まらない日米金利差や高市政権の財政拡張懸念、相対的に低金利の円を売り、高金利通貨を買うキャリートレードの再開などで早々に反落。根強い円売り圧力を背景に、介入によって上昇した分の半分以上が既に消失している。
市場関係者の金融政策見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、9月までに日銀が利上げする確率を約80%、10月までは完全に織り込んでいる。
ノムラ・インターナショナルの通貨ストラテジスト、宮入祐輔氏は、日銀が来月に利上げを実施すると予想しているものの、利上げによる円の押し上げ効果は限定的になるとの見方を示した。
現在のOIS市場の織り込みを踏まえると、日銀が市場の想定を上回るタカ派姿勢を示し、自らの政策対応によって円高を促すには、9月から連続して利上げを実施するか、12月までに一度の50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利上げを実施する必要があると、宮入氏は指摘。しかし、いずれも政策委員会内でコンセンサスを得られる可能性は低いと述べた。
バンク・オブ・ナッソー1982のチーフエコノミスト、ウィン・シン氏は、ドルが既に軟調な今こそ日本当局が行動に踏み切り、追加の為替介入と利上げを実施する好機だと指摘した。 「だからこそ、日銀は思い切った手を打つべきだと考えている」とし、「9月と12月に利上げを実施するべきだ」と話した。
(最終段落に市場関係者のコメントを追加します)
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