(ブルームバーグ):米軍がイエメンの親イラン武装組織フーシ派に昨年実施した空爆で、民間人153人が死亡し、243人が負傷したことが、米国防総省による検証で分かった。
機密指定されていない文書が今週、同省の年次報告義務の一環として議会に提出された。ヘグセス国防長官が米軍作戦における民間人被害を防ぐ仕組みを解体してきたとの懸念が広がる中、イエメンでの民間人死亡には厳しい目が向けられている。
トランプ大統領は2025年、スエズ運河と紅海で商船への攻撃が相次いだことを受け、フーシ派に対する作戦を命じた。ラスイサ港への1回の攻撃だけでも、民間人80人が死亡し、171人が負傷した。
中東での軍事作戦を統括する米中央軍は当時、ラスイサ港への攻撃について、フーシ派の「経済的な力の源泉の弱体化」が目的で、「イエメン国民に危害を加える意図はなかった」と説明していた。
中東に広がるイランの武装勢力ネットワークで重要な一角を占めるフーシ派は、米国とイスラエルが2月下旬に開始した対イラン戦争にはほぼ関与しなかったものの、紅海にいる商船やサウジアラビアの製油所への攻撃を始めており、衝突を拡大させている。
ヘグセス氏は、戦場での米軍部隊の行動を制限する規定を「ばかげた交戦規定」だと繰り返し批判。中南米沖で麻薬運搬船と疑われる船舶に対して数十回実施された殺傷攻撃が国際法に違反したとの批判も退けている。
ヘグセス氏の下で国防総省は、連邦政府が義務付けた「民間人被害軽減・対応プログラム」の実施に関連する予算と人員を大幅に削減した。国防総省の監察総監は5月の報告書で、こうした措置により「民間人被害の軽減や対応がより困難になる」と結論付けた。
国防総省は、イラン戦争で生じた民間人の死亡を巡っても批判を受けている。戦争初期に行われ、米国によるものと広く見なされているイランの女子小学校への空爆では、民間人150人超が死亡した。国連はこの攻撃を「人道法の重大な違反」と呼び、国防総省は調査中だとしている。
トランプ氏は、米軍の対イラン作戦を拡大し、橋や発電所などの民間インフラを標的にすると繰り返し表明している。
上院軍事委員会の民主党トップであるジャック・リード上院議員は、イエメンへの攻撃について、26年2月のイランの学校への攻撃に次いで、過去数十年で最多の民間人被害を出した米軍攻撃だと指摘した。
リード氏は声明で「何の脈絡もなく起きたことではない」と指摘。「この報告書と、それが示すヘグセス長官の指揮下での一連の傾向を憂慮している」と述べた。
国防総省はコメントの求めに応じていない。
原題:US Attacks on Yemen Killed 153 Civilians in 2025, Pentagon Says(抜粋)
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