悲惨な展示見るか 子どもが選択に賛否
寺田さんは小学校6年生の娘さんがいらっしゃいますが、選択展示についてどのように感じていますか?

陸上100mハードル 元日本記録保持者 寺田明日香さん:
娘は昨年展示を見に行きましたが、「怖い」と言っていました。ただ、その「怖い」を、大人に言ってはいけないのではないかと思ったみたいです。なので、「あまり見られなかった」と言っていました。
その展示があることは、これほどの被害をもたらすことや、非核三原則の重要性、戦争はよくないということを考えるきっかけになるべきものだと思うので、怖いからと言って見ずに、その「怖い」だけが残ってしまうのは本意ではないのかなと思いました。

井上貴博キャスター:
一つの解がある話ではないと思いますが、個人的には選択性があっていいのかなと思っていています。海外では、例えばホロコーストの博物館や戦争博物館は、大体が選択制で、むしろアクセス制限をして、年齢制限をかけてエリア分けをしていることが一般的です。
何かを見て、ショックを受けて行動に移すことはもちろんあると思いますが、それよりも共感や共有したときに行動を起こすことの方が背中を押しやすいのかなと思います。それぞれの考えがありますが、私は選択性はあっていいと思います。
出水麻衣キャスター:
一度だけではなく、人生で何度も足を運んでほしい場所でもあります。無理に幼少期に行かなくてはならないわけではないのかなという思いもあります。
高柳キャスター:
まずは原爆について議論するということも重要なのかなと思います。街の皆さんからは「子どもが夜泣いてしまうのでは」という声も上がりました。

来館した小学生~高校生の追跡調査では、放射線障害で斑点が出た兵士の写真や、火傷で皮膚がたれ下がる人の絵などを見て、1か月程度経過をしても、「就寝前に思い出す」「夢に出てくる」などストレス反応を示す子どもが、特に小学生の中にいたということです。
この点に関して、調査を行った広島大学の上手由香准教授は「“いったん見ない”という選択をすることも権利として守られていると、それだけで安心感が出てくると思う」と話しています。

一方で、実際に被爆を経験した内藤愼吾さんは、選択展示について「心理的な影響がありかわいそうだからと『見なくてもいい』という表示は絶対してはいけないと思う」と懸念を示し、悲惨な展示を見ることで、原爆の本当の恐ろしさが伝わると話しています。
目をそらさずに知ってほしいということを内藤さんは訴えています。被爆者の内藤さんが心配するように、仮に選択展示が行われる場合にはどのような表現で子どもたちに説明していくことが重要になってくるのでしょうか?