(ブルームバーグ):社債市場では、投資適格級から投機的水準(ジャンク級)に転落する「堕天使」が急増するとの警戒が強まっている。投資適格級であるオラクルやステランティスの社債は足元、ジャンク級に近い水準までスプレッドが拡大している。
ブルームバーグが集計したデータによると、ドル建ておよびユーロ建ての投資適格債指数に組み入れられている約1000億ドル(約15兆7500億円)相当の社債が、ジャンク級であるダブルB格付けのカーブを上回るスプレッドで取引されている。これは堕天使の予備軍が大量に存在することを示している。
背景には、資金調達コストの上昇やイラン戦争の影響に加え、AI投資を支えるための借り入れ急増が企業の逆風となっていることがある。オラクルは、データセンターへの大規模な投資が進み、AI関連リスクを象徴する存在として信用市場で注目されている。
一方、ステランティスは中国勢との競争圧力にさらされており、今年の欧州株式市場で株価の下げがきつい。
オラクルとステランティスの広報担当者は、コメント要請に応じなかった。
インサイト・インベストメントのシステマティック債券部門責任者、ポール・ベンソン氏は「信用サイクル局面の終盤にさしかかりつつある」と述べ、背景にある要因として、雇用データの弱含みや個人消費の減速、資金調達コストの上昇に言及した。
さらに、AIに関連する新たなリスクも数多く存在すると指摘。「極めて安全で、投資適格級の中核に位置するとみられてきた企業であっても、今後の見通しは以前ほど明確ではなくなっている」と話した。
これまで堕天使の増加は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後や、2020年の新型コロナウイルス禍など、市場が大きく混乱した時期に発生してきた。
オラクルやステランティスなどの個別事例とは別に、市場が現在注視している堕天使の候補には、AI脅威論に揺れるソフトウエア業界と結び付きが強いビジネス・デベロップメント・カンパニー(BDC)やプライベートクレジット会社の債券が含まれる。
原題:Credit Braces for Fallen Angels as $100 Billion Trades Like Junk(抜粋)
--取材協力:Selina Chen.
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