英製薬大手アストラゼネカの投資家は3日、同社に明確なメッセージを突き付けた。米ブリストル・マイヤーズ・スクイブとの4000億ドル(約62兆8000億円)規模の合併案には賛同できないというものだ。

アストラゼネカの株価は9%下落し、新型コロナウイルスが流行し始めた2020年3月以来の大幅安となった。

アストラゼネカのソリオCEO

パスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)はつい昨年後半に、大型案件について「実現する可能性は極めて低い」と投資家に説明していた。それだけに、過去最大級の製薬業界再編が動き出している可能性が浮上したことに、株主の間で驚きが広がった。

協議に詳しい関係者によると、両社による初期段階の協議が現在も続いているかどうかは明らかではない。関係者は非公表情報であることを理由に匿名を条件に語った。

両社の統合が実現すれば、大型がん治療薬を持つ世界有数の製薬会社が誕生することになる。ただ、アストラゼネカが急速な成長を続け、有望な新薬候補を数多く抱えるのに対し、ブリストル・マイヤーズは主力薬品の一部で特許切れが迫っている。

アストラゼネカ株を保有するユニオン・インベストメントのポートフォリオマネジャー、マルクス・マンス氏は「この取引は戦略面でも財務面でも理にかなわない」と指摘。「アストラゼネカは常に研究開発(R&D)を最優先し、イノベーションのけん引役としての地位を築いてきた。超大型合併は同社の企業文化にはそぐわない」と述べた。

両社とも協議についてコメントを控えた。この協議は英紙フィナンシャル・タイムズが最初に報じていた。ブリストル・マイヤーズ株はニューヨーク市場で一時4.3%上昇し、日中ベースで4月以来の大幅高となったが、その後上げ幅をほぼ失った。

他の投資家やアナリストも、統合の合理性に疑問を呈した。統合によってアストラゼネカはブリストル・マイヤーズが抱える特許切れ問題や、独占禁止の調査リスクにさらされる可能性があると指摘している。

原題:AstraZeneca Investors See Little Logic in Bristol Tie-Up (2)

(抜粋)

--取材協力:Naomi Kresge.

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