世界最大の銅線ケーブルメーカー、イタリアのプリズミアンは、電気配線システムを手掛ける米アトコアの買収に向けた協議を進めている。事情に詳しい関係者が明らかにした。

プリズミアンは、アトコアを全額現金で買収する契約の最終調整に入っており、数日以内に発表する可能性があるという。

アトコア株は今年、ニューヨーク市場で約15%上昇し、時価総額は約25億ドル(約3930億円)となっている。プリズミアン株は年初来で3割超上昇し、時価総額は約363億ユーロ(約6兆6000億円)。

協議は進んだ段階にあるものの、遅れや決裂の可能性もあるという。プリズミアンの担当者はコメントを控えた。アトコアにコメントを求めたが、直ちに返答はなかった。

アトコアは、電気配線の敷設・保護に使われるさまざまな製品やシステムを製造している。

アトコアは昨年11月、売却を含む戦略的選択肢を検討するため、シティグループとJPモルガン・チェースを起用したと明らかにした。アクティビスト(物言う投資家)のアイレニック・キャピタル・マネジメントから圧力を受ける中での検討だった。

プリズミアンは米国事業の拡大に向け、一連の買収を進めてきた。2年前には、同社としては過去最大となる約40億ユーロで米電線メーカー、エンコア・ワイヤを買収。その約1年後には、米通信機器メーカーのチャンネル・コマーシャルを約10億ユーロで取得した。

マッシモ・バッタイーニ最高経営責任者(CEO)は5月、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、企業価値が40億ユーロ程度の買収案件を探していると述べていた。

7月には、米大手複合企業コーク傘下の電子部品メーカー、モレックスにデータセンター向け光ケーブルを供給する最大55億ユーロの契約を締結した。AI関連設備の拡充に伴う需要を取り込む。

プリズミアンは2005年にイタリアのタイヤメーカー、ピレリから分離した。米国での重複上場も計画しており、バッタイーニCEOは「最優先事項」と位置付けているが、明確な時期は示していない。

原題:Prysmian Is Said Near Takeover of US Electrical Maker Atkore(抜粋)

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