(ブルームバーグ):8月第1週(3-7日)の日本株は、国内企業の堅調な決算やAI投資の収益性懸念の緩和を背景に値固めの展開が予想される。このところの相場の乱高下で痛手を受けた市場参加者も多いとみられ、不安定な値動きが続く可能性もある。
7月最終週の日本株市場では、米IT企業による巨額のAI関連先行投資が期待ほどの収益を生まないのではないかとの懸念から日経平均株価が一時約2カ月ぶりの安値を付けた。その後、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムなど米ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)の決算が良好だったことなどから反発した。日経平均は週間ベースで0.4%安、東証株価指数(TOPIX)は0.2%安だった。
7月の市場を揺るがしたAI設備投資を巡る懸念は和らぎつつあり、株価は再び上昇余地を探るとみる市場関係者は多い。ただ、半導体株を中心に変動率が極めて高い相場が続いており、当面は不安定な値動きに注意が必要との声も聞かれる。
8月第1週は国内でTOPIX100を構成する大企業の約半数が決算を発表する予定で、個別株の材料により相場が動きやすくなりそうだ。米国では半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの決算のほか、供給管理協会(ISM)の景況指数や雇用関連指標の公表もあり、インフレ警戒を強める内容となれば金利上昇を通じて株価の重しになる可能性もある。
<市場関係者の見方>
UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントの小林千紗日本株ストラテジスト
日米で決算発表がピークを迎えるが、全体的にはハイパースケーラーの決算やシタデルによるヘッジファンドの事実上の救済を受けて市場心理が改善しており、AI関連銘柄を中心としたハイベータ株主導で戻りを試しそうだ。すべてのAI関連銘柄が買われるというよりは選別が進むだろう。銀行株は今後の日本銀行の利上げへの思惑から上昇する可能性が高いとみている。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト
これまでの企業決算の内容は悪くなく、バリュエーション的にも徐々に値固めする展開になる。ただ、ボラティリティーの高い状況はもうしばらく続くとみられ、6月までのような相場の勢いが戻るとは考えづらい。懸念材料としては米国金利の上昇が挙げられる。イールドスプレッド(株式益回りと債券利回りの差)から見て株価が相当割高になっていることも踏まえると、金利上昇を嫌気した売りが出るリスクはありそうだ。
三菱UFJ信託銀行の押久保直也チーフ・マーケット・エコノミスト
AIを巡る投資家心理は明確に改善しており、半導体関連株は上昇余地がある。大きなネガティブニュースがなければ、株価指数は過去最高値に向けて上昇基調を維持すると想定される。
--取材協力:アリス・フレンチ.
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