国際サッカー連盟(FIFA)が新設するメディア部門の持ち分売却を計画していることを受け、国際サッカー界では波紋が広がっている。

その発端はFIFAのインファンティノ会長と、トランプ米大統領一族に関係するベンチャー投資家、ジョシュア・クシュナー氏との間で昨年行われた非公開協議にあった。

公表されていない情報だとして匿名を要請した関係者によると、この協議ではFIFAが持つ商業資産を通じ、収入を最大化する方策が集中的に話し合われた。FIFAは非営利団体ではあるが、今年のワールドカップ(W杯)では約150億ドル(約2兆4000億円)の収入を上げるなど4年に1度のW杯開催年は巨額の収入があるが、開催されない年は赤字が続いている。

ジョシュア・クシュナー氏

クシュナー氏は過去にスポーツ業界に間接的な投資を行った経験があり、自身の投資会社スライブにとっての新たな好機を模索していた。

関係者によると、FIFAは放映・配信権を一段と収益化する方策を探ることを決意。この権利を切り分けてパッケージ化する手法を検討するとともに、投資家向け資料を作成し、出資に関心を持ちそうな投資家を選定するためJPモルガン・チェースを今年初めに起用した。

FIFAは現在、新設する持ち株会社を通じてスライブなど外部投資家から最大42億ドルを調達する計画を進めている。だが、サッカーにとって何が最善かよりも、カネや権力、著名人らを優先する利害関係者の参入で競技が汚されると考えるファンらの反発に遭っている。

また、汚職で有罪判決を受けた元FIFA幹部の存在や、インファンティノ会長がトランプ大統領やその政権との関係を深めていることもファンは問題視。欧州サッカー連盟(UEFA)に加盟する55カ国は、FIFAが外部投資家を受け入れる計画を取り下げない限り、W杯を含むFIFA主催の大会に参加しない方針を固めたと、事情に詳しい関係者が明らかにした。

FIFAのインファンティノ会長

FIFAの報道担当者は、この取引がどのように組み立てられたのかについての質問に回答しなかった。スライブとJPモルガンもコメントを控えた。

クシュナー氏はトランプ氏娘婿のジャレッド・クシュナーの弟。ベンチャー投資家としてスポーツ業界に長年の間接的な関与があり、2018年ごろには、米プロバスケットボール協会(NBA)のメンフィス・グリズリーズに出資した。

また、妻でモデルのカーリー・クロス氏は、17年にアディダスの広告に関わって以来、元著名サッカー選手であるデービッド・ベッカム氏と親しく、同氏が共同オーナーを務めるサッカークラブ、インテル・マイアミの試合を夫妻がスタンドで観戦する姿も目撃されている。

原題:FIFA Sale Plan Enraging Fans Began With Kushner Talks Last Year(抜粋)

--取材協力:Sasha Draeger-Mazer、Abhinav Ramnarayan、Irene Garcia Perez、Ted Mann.

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