(ブルームバーグ):米財務省は来週公表する四半期定例入札に関する声明で、国債発行額の拡大を示唆する方向への文言変更を見送る見通しだと、JPモルガン・チェースのストラテジストは指摘した。中間選挙を前に債券市場を動揺させる事態を避ける狙いがあるという。
JPモルガンは、今後4会計年度で3兆7000億ドル(約606兆円)の資金調達ギャップが生じると試算しており、財務省が掲げる「慎重な債務管理」の目標を達成するには、国債入札規模に関する従来のガイダンスの文言を修正する必要があるとみている。
ジェイ・バリー氏率いる同行のチームは、具体的には「少なくとも向こう数四半期にわたって」入札規模を据え置く見通しだとしている記述から、「少なくとも」という文言を削除すべきだと顧客向けリポートで論じた。
ただ実際には、こうした判断は政治的な配慮によって左右されるとみている。
来週ガイダンスを修正すれば、11月の中間選挙を前に債券市場を動揺させ、トランプ米大統領就任以来の高水準に近づいている長期債利回りを一段と押し上げるリスクがある。ベッセント財務長官は昨年、国債発行計画と利回り水準の関係について率直な見解を示していた。
「11月の中間選挙まで残り3カ月となる中、長期債利回りは上昇を続けている」と同リポートでは指摘。「ベッセント長官が長期債利回りの引き下げを重視していることを踏まえれば、財務省は長期国債の増発が近づいていることを明確に示すのは避けたいと考える可能性がある」と続けた。
市場動揺回避へ
JPモルガンのこうした現実的な見解は、米議会の主導権を左右する選挙を前に、トランプ政権が共和党に不利となり得る政策を回避するとの見方がウォール街の一部で広がっていることを示している。対イラン戦争に伴うガソリン価格の急騰は、ここ数カ月にトランプ政権の支持率低下につながった。
JPモルガンのチームは、11月の四半期定例入札に関する発表は中間選挙の翌日に予定されているとも指摘。日程の近さや政治情勢を踏まえると、財務省がガイダンスの文言を修正するのは2027年にずれ込む可能性があるとの見方を示した。
来週公表する声明から「少なくとも」という文言を削除すれば、「市場参加者が予想される長期国債の発行増加を消化するため、2023年8月と同様により高いタームプレミアムを求めるようになり、イールドカーブのスティープ化を招くリスクがある」と分析した。
「こうした状況を踏まえると、財務省がフォワードガイダンスの文言を据え置く可能性は一段と高まっている」と付け加えた。
原題:JPMorgan Sees Treasury Avoiding Bond Sales Tweak Due to Midterms(抜粋)
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