(ブルームバーグ):米電力最大手のネクステラ・エナジーは、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社の米ブルックフィールドと提携し、ケンタッキー州に発電所を併設したデータセンターキャンパスを建設する。1000億ドル(約16兆3800億円)超を投じて、冷戦時代の名残である旧式のウラン濃縮施設を転換する。
29日の米エネルギー省発表によると、この民間資金によるプロジェクトには、ケンタッキー州西部パデューカの政府施設内または隣接地に、2ギガワット級の天然ガス火力発電所を建設することに加え、最大2.6ギガワットの蓄電設備も整備する。1ギガワットは従来型原子力発電所1基分程度の出力に相当し、約75万世帯に電力を供給できる。
トランプ政権はデータセンターによる電力需要急増への対応を進めている。データセンターの急増に対しては、政治的な反発が強まっている。新たな発電能力を追加できなければ、中国とのAI競争に勝利するというトランプ大統領の重点課題が脅かされるだけでなく、電力料金の急騰をさらに悪化させ、11月の中間選挙を前に政治的な重荷となる可能性がある。
ライト米エネルギー長官は声明で「米政府は連邦所有地などを活用して発電能力を拡大し、雇用を創出し、米国がAI競争に勝利できるよう取り組んでいる」と述べた。エネルギー省によると、1000億ドルを超えるこの民間投資はケンタッキー州史上最大級となり、建設時に8000人、完成後に600人の恒久雇用を創出する見込みだ。
ブルックフィールドが開発し運営する広大なデータセンターキャンパスは、かつて兵器級ウランや原子炉燃料の生産に利用されていたエネルギー省所有地、3556エーカーの一部に建設される。旧式のガス拡散法による濃縮事業は、2013年に終了しており、現在は環境浄化が進められている。エネルギー省によると、建設は2031年に完了する見通しだ。
29日のニューヨーク株式市場で、ブルックフィールドは一時2%余り下落した。一方のネクステラは1%余り上昇した。
AIツールの需要急増を背景に、世界各地でデータセンター建設が拡大している。こうした建設ラッシュは米国各地で水や電力のコスト上昇への懸念を引き起こしている。トランプ政権は中間選挙を前に、テクノロジー企業に追加負担を約束させることなどを通じ、こうした懸念への対応を進めている。
ソフトバンクグループは3月、オハイオ州に開発するデータセンターキャンパスのプロジェクトに5000億ドルを投じる構想を明らかにした。このプロジェクトもエネルギー省の旧ウラン濃縮施設跡地で計画されている。
原題:NextEra, Brookfield to Build $100 Billion Data Center Campus (1)(抜粋)
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