米連邦準備制度が29日に利上げへ踏み切るリスクをトレーダーが警戒する中、主要政策金利のフェデラルファンド(FF)金利に連動する先物市場では、ポジションが過去最高に膨らんだ。

今回の金融政策決定後に決済されるFF金利先物の建玉は、これまで最高だった2024年10月限の水準を上回った。同限月の場合も、連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果を巡る不透明感が高まっていた。米CMEグループによると、2026年8月限の未決済建玉は24日に90万9714枚に達し、その後も増加を続け、27日には96万7136枚となった。

市場の取引動向は、米金融当局の次の一手を巡る見方が異例なほど割れていることを反映している。通常であれば、この時点では市場はほぼ一致した見方を織り込んでいる。

しかし、米東部時間28日遅くの時点でも、トレーダーは金融当局が0.25ポイントの利上げを決定する確率を約3分の1と織り込んでいた。一方で、政策金利を据え置くとの見方がなお優勢だ。

こうした懐疑論の背景には、経済指標が強弱入り交じっていることに加え、金融当局指導部の交代もある。ウォーシュ連邦準備制度理事会(FRB)議長は、今後の政策運営の見通しを事前に示すフォワードガイダンスについて、歴代議長の慣行を打ち切る姿勢を示している。

ウォーシュ議長は、2%の当局目標を2021年以降上回って推移しているインフレを抑制する必要性を繰り返し強調している。一方で、6月は米国とイランの停戦を受けてエネルギー価格が下落し、インフレ圧力がやや和らいだほか、雇用の伸びも鈍化。当局者が次回9月の会合まで判断を見送る理由となる可能性もある。

RJオブライエン・アンド・アソシエーツのデリバティブ(金融派生商品)ブローカー、アレックス・マンザラ氏は未決済建玉が急増した動きについて、29日に利上げがあるのか、それともないのか、「その確率だけを反映している」と述べた。

マンザラ氏はさらに、「これまで米金融当局が市場の予想を裏切ることはほとんどなく、会合直前のFF金利先物が予想される政策金利から2-3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上乖離(かいり)して取引されることはなかった」と指摘。「ところが今は不確実性が織り込まれており、それが取引需要を生み出している」と語った。

原題:Traders Make Record Rush to Fed Futures as Doubts Shadow Market(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.