熊本県で最大震度7を観測する地震が発生してから一夜明けた29日、各地の被害状況が徐々に明らかになっている。地震後にイオンモール熊本(熊本県嘉島町)で起きた爆発では、3人の死亡が確認された。

気象庁によれば28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方で震度7を観測する地震があった。その後イオンモール熊本で爆発が起き、2階部分が崩落した。同県災害対策本部によれば、3人が死亡し、5人が負傷しており、安否不明者数は確認中という。

爆発の原因は明らかになってはいないが、ガス漏れの可能性を指摘する報道もある。イオン広報担当者によれば、爆発の前に顧客や従業員への避難指示を出していた。

日本製紙グループの八代工場(熊本県八代市)では煙突が倒壊した。県災害対策本部によれば、閉じ込められた11人のうち、2人は救助したが心肺停止で、ほか9人は安否不明という。

消防庁災害対策本部は、地震で熊本県で2人の死亡が確定しているほか、3人の死亡の可能性があると発表した。気象庁によると、マグニチュードは7.1と推定され、震源の深さは16キロだった。熊本県宇城市や氷川町で震度7、八代市や宇土市で震度6強、菊陽町で震度5強が観測された。同庁は今回の地震を「令和8年熊本地震」と名付けた。

熊本県や近隣の福岡県には半導体や自動車関連の工場が集積する。内閣府は、2016年4月に起きた熊本地震では、工場やインフラなどへの毀損額は約2.4兆ー4.6兆円で、発災後34日の間に生じた域内生産額の損失は900ー1270億円にのぼると試算していた。

現時点で半導体工場や自動車工場では生産設備に大きな被害は確認されていないが、今後影響が明らかになる可能性もある。

台湾積体電路製造(TSMC)の広報担当者は電子メールで、同社の菊陽町の工場から従業員を速やかに避難させ、全従業員の無事を確認したと発表した。地震の影響について工場建屋の点検を完了し、安全性が確認できたことから操業を段階的に再開しているという。

さらに、新工場の建設現場に被害はなかったとしたうえで、安全確保のため一部の建設工事を一時的に中断していることも明らかにした。TSMCは熊本工場で、自動車などにも使われるロジック半導体を製造している。

稼働停止の工場も

東京エレクトロンの熊本県内の事業所では、建物・設備に大きな損害は確認されていないが、29日は稼働を停止し、安全点検をする。

画像センサーを作るソニーグループ傘下のソニーセミコンダクタソリューションズの広報担当者は、菊陽町の工場からの従業員の避難は済んでいると明らかにした。建屋や設備への被害の有無については確認を続けているという。

ホンダの熊本県大津町にある二輪車などを製造する工場は、29日の午前まで稼働を停止しており、再開のタイミングは検討中だ。人的被害はなく、工場もスプリンクラーの稼働で一部漏水や浸水が起きた程度で大きな被害はないという。

トヨタ自動車は、地震の影響で安全や物流の状況を考慮し、福岡県内の宮田、刈田、小倉工場の28日夜の操業を停止した。29日朝からの再開を予定している。現時点で人的、物的な被害の報告はなく、物流や仕入れ先への影響は確認中だという。

物流にも影響が生じそうだ。西日本高速道路によると、地震の影響で九州自動車の益城熊本空港インターとえびのインター間の上下線を中心に通行止めが続いている。復旧や安全確認の作業などが必要になるため、通行止めが解除されるまでには時間がかかる見込みだとしている。

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