(ブルームバーグ):高市早苗首相が食料品にかかる消費税率を2年間限定で1%へ引き下げる方針を打ち出す見通しとなり、日本の財政悪化への懸念が強まっている。市場では円の下押し要因となるほか、超長期債を中心に国債利回りが上昇するとの見方が出ている。
朝日新聞は28日、政府・与党が2027年4月から食料品の消費税率を1%に引き下げる方針を固め、高市首相が30日にも自民党に法改正に向けた党内手続きを指示する方向で調整していると報じた。日本経済新聞も、高市首相が週内にも減税方針を表明すると伝えた。
市場では、原油高によるインフレ圧力が続く中で大型減税が追加されれば、日本の財政拡張路線が一段と鮮明になるとの見方が広がっている。減税の財源をどのように確保するのかや、国債増発につながるかどうかが焦点となる。
SMBC日興証券の丸山凜途シニア金利・為替ストラテジストは、減税方針は日本の金融資産に織り込まれている財政リスクをさらに押し上げる可能性が高いと指摘。円のマイナス要因になるほか、国債市場では特に長期債と超長期債の利回りに上昇圧力がかかり、イールドカーブ(利回り曲線)はベアスティープ(傾斜)化すると予想した。
円相場は今年4-5月に実施された過去最大規模の為替介入後も下げが止まらず、対ドルで163円台で推移している。日米金利差に加え、原油高や財政悪化への懸念が円の重しとなっている。一方、国債市場では日本銀行が円安やインフレへの対応として追加利上げを前倒しする可能性が意識され、短中期ゾーンを中心に利回りが上昇している。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは、食品減税は円や国債に逆風となる一方、公約実現による高市政権の支持率回復は政治的安定につながり、株式市場にはプラスに働く可能性があると指摘した。
日銀は31日に金融政策決定会合の結果を公表する予定。市場では政策金利の据え置き予想が大勢だが、植田和男総裁が追加利上げの時期やペースについてどのような見解を示すかが注目される。
--取材協力:アリス・フレンチ.
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