フランスの高級ブランドグループ、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは、主力事業であるファッション・革製品部門の4-6月(第2四半期)売上高が辛うじて増加した。イラン戦争を受け、富裕層が買い物を控えた。

同社が27日に発表した決算によると、ルイ・ヴィトンやディオールを擁する同部門の実質ベースの売上高は1%増加した。増収は2年ぶりだが、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の1.52%増には届かなかった。

高級品業界は低迷が続いている。長年の成長源だった中国の消費者が購入を抑えたのに続き、最近ではイラン戦争によりドバイなど中東のショッピング拠点で需要が落ち込んだ。LVMH全体の4-6月期売上高は3%増だったが、イラン戦争の影響がなければ4%増だったという。

1-6月(上期)の経常営業利益は86億9000万ユーロ(約1兆6200億円)と、アナリスト予想を上回った。営業利益率は22.5%で、前年同期からほぼ変わらなかった。

ベルナール・アルノー会長兼最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「利益率を引き続き厳しく管理しながら、改めて自信を持って下期に入る」と述べた。

四半期の実質ベースの売上高は米国で6%増えた一方、欧州は横ばい。日本は14%、日本を除くアジアは4%それぞれ増加した。

決算発表後、LVMHの米国預託証券(ADR)はニューヨーク市場で一時1.8%下落し、1.2%安で取引を終えた。パリ市場の株価は年初来で28%下落している。

宝飾品需要

宝飾品は業界の明るい材料となっている。富裕層が金の指輪やブレスレットを積極的に購入しているためだ。ティファニーやブルガリを擁するLVMHの時計・宝飾品部門は、4-6月期の売上高が11%増となり、予想を大きく上回った。競合する高級ブランド大手リシュモンも、同じ4-6月期に売上高が急増した。カルティエやヴァン・クリーフ&アーペルの宝飾品需要が寄与した。

ファッション・革製品部門について、アルノーCEOはクリスチャン・ディオール・クチュールのアーティスティックディレクター、ジョナサン・アンダーソン氏が初めて手掛けたデザインが4-6月期の成長を支えたと説明した。ただ、アルノーCEOの娘デルフィーヌ氏が率いるディオールは、シャネルとの厳しい競争に直面している。シャネルでは、デザイナーのマチュー・ブレイジー氏が今年初めに発表したコレクションが好評を博した。

シャネルは非公開企業で、LVMHのような四半期決算の開示義務はない。ただ、同社幹部は5月、発売初期の顧客需要に「非常に良好な」兆しが見られると説明していた。

モルガン・スタンレーは今年のリポートで、シャネルが2026年の業界成長の約30%を取り込む可能性があると推計。ディオールなど競合ブランドがその影響を受けるとみている。

LVMHのセシル・カバニス最高財務責任者(CFO)によると、ディオールの4-6月期の伸びはファッション部門平均を「やや上回った」。ルイ・ヴィトンは部門平均並みだった。

バーバリー・グループやモンクレールなど他の服飾企業も最近、期待外れの売上高を発表している。消費者が高級品への支出を選別している状況が浮き彫りになった。グッチを傘下に抱えるケリングは28日、エルメス・インターナショナルは29日に決算を発表する。

原題:LVMH Fashion Unit’s Return to Growth Held Back by Iran War (1)(抜粋)

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