大和証券グループ本社は、中国事業の再構築に向けてシニアバンカーの徐虎(Tiger Xu)氏を同国投資銀行部門の責任者として採用した。国境をまたぐ企業の合併・買収(M&A)や資本市場関連業務に注力する方針だと事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者らによると、徐氏は8月に大和証券(中国)のマネジングディレクターに就任する予定。かつてはクレディ・スイスで中国の投資銀行部門責任者を務めていた。案件が公表前であることを理由に匿名を条件に話した。

徐氏は香港市場での資金調達に関して中国企業への助言を数多く手がけた経験豊富なバンカーとして知られる。2022年にクレディ・スイスへ入社する前は、JPモルガン・チェースやドイツ銀行、中国国際金融(CICC)で勤務していた。

大和証Gの広報担当者はコメントを控えた。

今回の採用は、大和証Gが中国の合弁会社を完全子会社化したことに続く動きとなる。ブルームバーグが確認した中国での公開資料によると、大和証Gは現地の合弁先から計49%の株式を約7億600万元(約160億円)で4月に取得した。完全子会社化により、人材採用や事業戦略、業務執行に対する統制を一段と強めることが可能となった。

完全子会社化した大和証券(中国)の25年12月期の純損失は9905万元だった。前の期の1億3471万元の損失から赤字幅は縮小したものの、5年連続での赤字となった。

中国では中信証券やCICCといった国内証券会社が、企業との強固な関係や幅広い販売網を武器に、引受業務や助言業務で優位に立っている。外資系証券は、中国当局の規制変更や案件の低迷、地政学的緊張への対応を迫られ、中国政府が20年に証券業への外資100%出資を解禁した後も、一部は事業を縮小している。

日本の金融機関では、野村ホールディングス(HD)の現地合弁会社の25年12月期の純損失が9900万元と19年の設立以来、赤字が続く。ただ、赤字幅は3年連続で縮小した。当初は中核だった富裕層向け事業の比重を落とし、自己勘定投資や資産運用、機関投資家向け証券業務などに注力している。

みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ証券は昨年、中国証券監督管理委員会から独資での証券子会社設立の許可を受けた。営業はまだ開始していないが、債券を主軸とした資金調達や運用などのサービスを提供する方針だ。

(1段落目など徐氏の漢字表記を追加し、6段落目を加えて記事を更新します)

--取材協力:中道敬.

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