(ブルームバーグ):27日の原油相場は続落し、3カ月超ぶりの大幅安となった。米国とイランは3夜連続で互いへの攻撃を見送り、原油供給の逼迫(ひっぱく)懸念が和らいだ。一時混乱していたカザフスタンの原油輸出ターミナルでタンカーの積み込みが再開されたことも材料視された。
北海ブレント先物9月限は、前週末比8.42ドル(8.7%)安の1バレル=88.36ドルで終了。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物9月限は、6.70ドル(7.5%)安の82.61ドルで取引を終えた。
原油相場は、米国が13夜連続で続けてきた対イラン攻撃を先週金曜日以降見送っていることを受けて下落した。イランも報復を控える姿勢を示し、ホルムズ海峡を巡ってオマーンと協議した。一方、サウジアラビアはその後、石油施設を狙ってイラクから飛来したドローンを迎撃したと明らかにした。
トランプ米大統領は、ニュースサイト「アクシオス」とのインタビューで、イランへの攻撃を一時停止したのは、交渉に改めて機会を与えるためだと述べた。その後、記者団に対し、イランとの協議で「何かがまとまる可能性は十分ある」と語った。
原油先物は月初から20%超上昇している。親イラン武装組織フーシ派が、紅海経由のサウジアラビア産原油の輸出を脅かしているためだ。紅海は、戦争によってホルムズ海峡を通る輸送に支障が生じて以降、代替ルートとして重要性を増している。5カ月に及ぶ紛争は、原油在庫の減少や燃料価格の上昇を通じて、インフレ加速への懸念を強めてきた。
一方、ロシアの黒海沿岸にあるカスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)の原油輸出ターミナルでは、積み込みが再開された。同ターミナルはカザフスタン産原油の主要輸出拠点となっている。ここ数日はウクライナのドローン攻撃を受け、船主が寄港を控えたことで、欧州向け原油の重要な供給拠点が機能不全に陥っていた。
先週の原油価格上昇を受け、相場下落を見込む弱気投資家が売り持ちを積み増した。米商品先物取引委員会(CFTC)が24日に公表した建玉データで明らかになった。
TDセキュリティーズの商品戦略グローバル責任者、バート・メレク氏はCFTCのデータについて、「投資家は在庫が危機的な水準まで減少するとの懸念から買い持ちを積み増した一方、本格的な戦争は回避されるとの見方から、それを上回るペースで売り持ちを増やした」と説明した。
その上で、「原油価格の高騰は米国にとって政治的な負担が大きい。さらに、迎撃ミサイルの不足が伝えられていることも、軍事的なエスカレーションを難しくしている」と述べた。
原題:Oil Slides as Supply Threats Ease in Middle East and Black Sea(抜粋)
--取材協力:Paul Burkhardt、Weilun Soon、Carlos Caminada、Jake Lloyd-Smith.
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