ジェファーソン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は16日、インフレが近く鈍化しなければ、金融当局として利上げを検討する必要があるとの考えを示唆した。一方、金融政策は現時点で適切な位置にあるとの認識も示した。

ジェファーソン副議長は、カリフォルニア州スタンフォードで開催されたイベント向けの講演テキストで、現在の政策金利の水準は労働市場を支えつつ、インフレの伸び鈍化を促す可能性が高いと述べた。

ただ、「実際のインフレ率が近いうちに鈍化し始めないシナリオでは、現在の金融政策スタンスを見直すことが適切となる可能性があると考える」と指摘。さらに、「幸いにも、現在の金融政策スタンスによって、経済情勢の変化に対応できる十分な態勢が整っている」と語った。

動画:ジェファーソンFRB副議長は、インフレが近く鈍化しなければ、利上げを検討する必要があるとの考えを示唆

労働市場安定化の兆しが鮮明となり、金融当局者の議論はインフレに明確に軸足を移している。トランプ政権の関税措置による物価上昇圧力は和らいだものの、中東情勢に左右されるエネルギー価格は引き続き懸念材料となっている。AI関連投資の拡大を背景とした需要も、新たな懸念要因として浮上している。

6月の物価統計が市場予想を下回る伸びとなったことを受け、投資家は今月28、29両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げ観測を後退させた。ただ、年内に1回の利上げが実施されるとの見方は維持している。

16日にはこれに先立ち、地区連銀総裁2人が物価上昇への一段と強い警戒感を示した。今年のFOMCで投票権を持つダラス連銀のローガン総裁は、インフレ率が2%の当局目標に持続的に戻るとは考えにくいと述べ、利上げを支持する姿勢を示した。

また、カンザスシティー連銀のシュミッド総裁も、「インフレ率は依然として高過ぎ、あまりにも長い間、目標を上回っている」とし、適切な金融政策の道筋を判断する上で、インフレ動向に重点を置くと述べた。

ジェファーソン副議長は講演で、AIが米経済に及ぼす潜在的な影響にも言及した。AIは需要と供給の双方にショックをもたらす可能性が高く、それぞれがインフレに対して相反する方向に作用するとの見方を表明。「需要と供給への影響が現れるタイミングは、金融当局者にとって極めて重要だ」と指摘した。

さらに、AIの普及とイランでの戦争に伴うエネルギー価格ショックが同時進行していることで、金融当局は「繊細なバランス取り」を迫られているとコメント。インフレが長期化し、インフレ期待がフナ低下するリスクが高まるとの認識を示した。

ジェファーソン副議長は、「最近のエネルギー価格上昇が中長期的なインフレ期待に波及し、インフレ率の持続的な上昇につながるかどうかは、極めて重要な問題だ」と話した。

原題:Fed’s Jefferson Says Policy Well Positioned If Inflation Cools(抜粋)

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