(ブルームバーグ):米資産運用大手ブラックロックが運用する米上場の韓国株上場投資信託(ETF)「iシェアーズMSCI韓国ETF」への資金流入が過去最大となった。投資家がSKハイニックスへの投資機会を求める中、新たに米国に上場した米国預託証券(ADR)が韓国上場株に対して大幅なプレミアムで取引されていることから、代替投資先としてETFを活用する動きが広がっている。
同ETFの運用資産は約230億ドル(約3兆7400億円)と、米上場の韓国株ETFで最大規模だ。ブルームバーグがまとめたデータによると、15日には11億ドル超の資金が流入した。前日にもそれまでの過去最大となる8億1400万ドルが流入した。
同ETFはポートフォリオの約4分の1が韓国上場のSKハイニックス株で構成されており、投資家にとって韓国市場で取引される同社株へアクセスする最も容易な手段の一つとなっている。
ストラテガス・セキュリティーズのETFチーフストラテジスト、トッド・ソーン氏は「ETFは一般的に代替投資手段として利用される。新興市場でも先進国市場でも、特定の投資テーマへのエクスポージャーを極めて効率的に得られる」と述べた。

SKハイニックスのADRは数日前の上場直後から取引が活発化し、韓国上場株を大きく上回る水準まで上昇した。ニューヨーク時間16日午後時点で、ADRは韓国上場株に対して約27%のプレミアムで取引されている。前日には51%まで拡大していた。
割高な米上場のADRに資金を投じる代わりに、一部の投資家は韓国上場株への投資手段としてiシェアーズMSCI韓国ETFを活用しているとみられる。韓国株を直接保有する場合と異なり、このETFでは時間外取引や為替取引の煩雑さを回避することが可能だ。
ジョーンズトレーディング・インスティテューショナル・サービシズの株式セールストレーダー兼マクロストラテジスト、デーブ・ルッツ氏は、「投資家は韓国上場株へのエクスポージャーを得る手段としてiシェアーズMSCI韓国ETFを利用している」と述べた。
SKハイニックスのADRと韓国上場株の価格差が縮まらないのは、通常であれば両者の価格差を解消する仕組みが制約を受けているためだ。ADRの発行・消却手続きは今月後半まで停止されており、投資家はADRと韓国上場株の間で転換できない状況にある。その後も、どの程度の転換枠が利用可能となるのか、また追加の規制当局の承認が必要になるのかについて不透明感が残っている。

同様のプレミアムは、台湾積体電路製造(TSMC)でもみられる。同社の台湾上場株は完全には相互転換できず、ブルームバーグがまとめたデータによると、ADRは過去1年間で平均約20%のプレミアムで取引されていた。
ファセットの最高投資責任者(CIO)、トム・グラフ氏は、iシェアーズMSCI韓国ETFへの「流入資金の一部は空売りの買い戻しだった可能性がある。需要は依然として非常に強い。これがどこまで持続するかは未知数だが、多くの空売りポジションが早期に買い戻されたとしても不思議ではない」と述べた。
ブルームバーグがまとめたデータによると、iシェアーズMSCI韓国ETFへの今年の資金流入額は63億ドル超に達し、運用資産残高は同期間に180%以上増加して230億ドルとなった。
原題:Korea ETF’s Record Inflow Fuels SK Hynix Proxy Play(抜粋)
--取材協力:Leda Alvim、Matt Turner.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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