米国各地が異常気象に見舞われている。全米の広い範囲に厳しい暑さが広がる中、ニューヨークでは山火事の煙で大気質が悪化したほか、米中部地域の電力網は緊急事態を宣言した。

カリフォルニア州では、乾燥と強風で火災リスクが高まる中、公益事業会社PG&Eが10郡で計画停電を開始し、約6800の利用者が影響を受ける。テキサス州では、数日間の大雨を受けて鉄砲水の緊急事態が発令された。

カナダ各地で発生した数百件もの山火事の煙は15日、五大湖周辺や中西部、北東部の一部を覆った。ニューヨーク市とトロントでは太陽がかすんだ黄色い球のように見えた。

米環境保護局(EPA)のAirNow.govによると、マンハッタン、ブルックリン、クイーンズのほか、トロントの大気質は「健康に良くない」に分類される警戒水準まで悪化した。シカゴでは16日に「健康に良くない」水準に悪化する可能性が高い。

ニューヨーク州環境保全局のアマンダ・レフトン局長は「煙の影響は長引く見通しで、明日は大気質がさらに悪化する可能性がある」と指摘。煙は一日を通じて「波のように」押し寄せると述べた。

南部では、激しい雷雨が相次ぎ、テキサス州中南部の一部では1カ月分を超える雨が降った。米国立気象局(NWS)の気象予報士ハリソン・トラン氏によると、13日夜以降の雨量は最大約200ミリに達した。ヒルカントリーの一部では、雨量が約460ミリ近くに迫っている。この地域では昨年7月、グアダルーペ川沿いの壊滅的な洪水で130人余りが死亡した。

一方、中部の広い地域に電力を供給する中部独立系統運用機関(MISO)は15日午後から夜にかけて、レベル2のエネルギー緊急警報を発令した。発電設備の計画外停止、平年を上回る気温、予想を超える電力需要を理由に挙げた。輪番停電などのより踏み込んだ措置を回避する狙いがある。全米最大の電力網を運営するPJMインターコネクションは、15日と16日にレベル1の緊急警報を発令した。レベル1では通常、発電事業者は利用可能な全ての電源を投入できる態勢を整えるよう求められる。

暑さをしのぐため冷房使用が増え、電力需要が急増する中、米エネルギー省はPJM管内の発電事業者に対し、環境規制で定められた制限を一時的に超え、来週にかけてフル稼働することを認めた。PJMは16日夕の電力需要が約160ギガワットに達すると予測している。今月初めの猛暑時に付けた過去最高まであと8ギガワットに迫る水準だ。

大気汚染に加え、NWSによると、ニューヨークのセントラルパークでは15日午後の気温が摂氏37度に達し、湿度を加味した体感温度は約39度になる見通し。ワシントンは約39度、フィラデルフィアは約38度に達すると予想されている。

中西部と北東部の一部には大気質警報が出ており、気象予報士らは煙の一部がワシントンやフィラデルフィア方面に広がるとみている。大気質の悪化により、心臓病やぜんそく、その他の呼吸器疾患を持つ人々が最もリスクにさらされる。

原題:Unhealthy Air Quality Envelops NYC as Heat Tests US Grids (2)(抜粋)

--取材協力:Kenneth Hughes、John Ainger.

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