(ブルームバーグ):日本政府観光局(JNTO)が15日発表した1-6月の訪日客数は、前年同期比2%減の2108万人だった。中国客の減少などで足踏み状態となったものの、円安を追い風に他市場の需要は底堅く推移している。
対象期間の最終月となる6月は、前年同月比6.8%減の314万8600人となり、中国からの訪日客が同57%減の34万人と全体を押し下げた。一方で韓国、台湾、米国などで6月として過去最高を記録するなど、他地域が下支えする構図が鮮明となった。
市場全体の勢いは鈍化しているものの、需要が失われたわけではない。中国以外のアジアや欧米などからの需要は堅調で、旅行者の消費も高級ホテルやコト消費(体験型サービス)へと多様化している。インバウンド市場は「量」の拡大から中身重視の「質」の成長へとシフトしている可能性がある。
高級ホテルを運営する森トラストの伊達美和子社長は14日のメディア向けミーティングで、夏秋の予約状況について、中東情勢を背景とした航空券高騰による影響は多少あるものの、「円安の方が力が強く、非常に好調だ」と述べた。一方、中国客の減速が続くことから、2026年の訪日客数は前年比1.6-5%減と微減を見込んでいる。
楽天トラベルによると、6-9月の夏の予約件数は前年同期比70%増で推移しており、中国客が減速する中でも旅行需要は好調な見通しだ。台湾は156%増、韓国27%増、シンガポール36%増と大きく伸び、中国市場の落ち込みを補うとみる。
旅行者の消費スタイルにも変化がみられる。楽天グループのグローバル旅行卸売部門である楽天トラベルエクスチェンジのジェームズ・パクCEOは、「日本は旅行先として成熟しつつあり、旅行者はより高品質な体験や高級宿泊施設を求める傾向を強めている」と指摘。楽天トラベルでは高級ホテルの予約件数は前年同期比88%増加しており、インバウンド消費額では過去最高を更新するとみている。
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