米国とイランは13日にかけて、夜間になっても新たな攻撃の応酬を続けた。一方で、ホルムズ海峡が航行可能かどうかを巡っても、双方の主張は食い違っている。

米中央軍は、ホルムズ海峡でのイランによる船舶攻撃能力を低下させることを目的とした新たな攻撃を実施し、完了したと発表した。X(旧ツイッター)への投稿によると、イランの防空システム、沿岸レーダー施設、ミサイルおよび無人機関連能力を含む数十の目標を攻撃した。

これに対し、イランは13日、周辺の米同盟国に報復攻撃し、クウェート、バーレーン、ヨルダンにある米軍基地を標的にしたと、イラン国営メディアが報じた。革命防衛隊はこれに先立ち、ホルムズ海峡で「違法な航路」を航行し、海上輸送を危険にさらしていると判断した船舶2隻を拿捕(だほ)したと発表した。

今回の緊張激化は、この約1週間続いている報復の応酬をさらに拡大させるものとなった。週末の米軍による攻撃は、6月に暫定停戦合意が結ばれて以降、最も大規模な空爆の一つとなった。一方、イランの報復も対象を広げており、中東地域のアラブ諸国への攻撃が増加している。ホルムズ海峡を通る輸送がさらに混乱するとの懸念から原油価格は上昇し、日本時間午後1時54分時点で、国際指標の北海ブレント原油先物は4.3%高の1バレル=79ドル台で取引された。

双方が軍事施設などを攻撃

米中央軍は週末、トランプ米大統領の命令に基づき、約140カ所を攻撃したと発表した。

イランは13日、クウェート国内の米陸軍部隊に対してドローン攻撃を実施したと、国営プレスTVが報じた。これに先立ち、クウェート政府は、国営石油会社の掘削施設がドローン攻撃で損傷したと発表していた。

国営イラン通信(IRNA)は、革命防衛隊がミサイルとドローンを使用し、ヨルダンのプリンス・ハッサン空軍基地にあるミサイル貯蔵施設や燃料タンクを攻撃したと報じた。報復攻撃は現在も続いているという。

IRNAによると、バーレーンの米軍基地では、ヘリコプターの整備・修理施設、哨戒機P-8の格納庫、米軍のドローン指揮統制センターも攻撃を受けた。

アラブ首長国連邦(UAE)は12日、国外で探知されたミサイルの脅威に対し、防空システムが対応したと発表した。カタールは、自国軍がイランのミサイル攻撃を迎撃した際に発生した落下物で3人が負傷したと明らかにした。

イラン国営メディアはさらに、オマーンのドゥクム港にある米海軍の兵站拠点や空母向け燃料補給施設に対する攻撃も報じた。

ホルムズ海峡での攻撃が焦点

今回の緊張激化における焦点は、ホルムズ海峡の通航だ。イランはこの1週間で複数の商船を攻撃したとして非難されている。

週末にはイランがホルムズ海峡を「追って通知があるまで」封鎖すると宣言した。これに対し米中央軍は、海峡は引き続き全ての船舶に開放されており、米軍は航行の自由を確保する準備が整っていると反論した。

世界の海上交通を監視する共同海事情報センター(JMIC)は12日、海峡南側の航路は依然として通航可能だと報告した。

トランプ大統領も12日にNBCの番組「Meet the Press」に出演し、ホルムズ海峡は依然として開放されているとの認識を示した。「昨夜、われわれは彼らを徹底的に爆撃した」と述べ、「彼らは極めて邪悪で病的な人々だ」と語った。

イランによる攻撃を受け、英国、フランス、ドイツは共同声明を発表し、一連の攻撃を非難するとともに、停戦と和平協議の再開を求めた。

ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、LNGタンカー「アル・ハムラ」は週末にホルムズ海峡を通過し、現在はオマーン湾に入っている。ニュースサイトのアクシオスは、米政府当局者の話として、過去24時間に約20隻の商船が米軍との調整の下でホルムズ海峡を通航したと報じた。

トランプ氏、イランと協議継続の意向

攻撃の応酬が激化する中、最終的な戦争終結に向けた米イラン交渉の行方にも不透明感が強まっている。

トランプ氏は10日、6月17日の暫定合意に基づく停戦は終了したとの認識を示した一方で、米国はイランとの協議を継続すると述べた。

イランメディアは12日、イラン南部で爆発が発生したと報じた。爆発があったのは、エネルギー・石油化学拠点のブシェールとアサルーイェ、港湾都市バンダルアバスとバンダル・ダイイェル、さらにホルムズ海峡近くのシリク地区などだという。

メヘル通信によると、南部ケルマン州では通信塔が攻撃を受け、2人が負傷した。

イラン学生通信(ISNA)は、国営電力会社タバニールの責任者の話として、米イスラエルによる攻撃で、イランの電力インフラが甚大な被害を受けたと報じた。

原題:US a Iran Trade Fresh Strikes, Dispute Whether Hormuz Is Open(抜粋)

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