(ブルームバーグ):韓国の半導体メモリー大手SKハイニックスの株価は13日の韓国株式市場で過去最大の下げを記録した。市場の期待を集めた米国預託証券(ADR)上場後の本国市場での取引で売りが膨らんだ。
AIブームを背景に韓国株が世界の主要市場を大きく上回る上昇を続けてきた一方、その反動で市場の値動きが一段と荒くなっていることを示す新たな事例となった。
韓国取引所では、SKハイニックス株が15%以上下げ、2カ月超ぶりの安値を付けた。同業のサムスン電子も約11%下落。両社の急落を背景に、主要株価指数の韓国総合株価指数(KOSPI)は9%安となり、今年7回目となるサーキットブレーカーが一時発動された。
一方、SKハイニックスのADRの10日終値は1ADR当たり168.01ドルと、初値の170ドルは下回ったものの、公募価格を13%上回る水準で初日の取引を終えた。外国企業による米国での新規株式公開(IPO)としては過去最大となった。
ヘッジファンドのペトラ・キャピタル・マネジメントのマネジングパートナーであるチャン・H・リー氏は「ADR上場は大成功だったが、その成功の大部分はすでに株価に織り込まれていた」と指摘。「きょうの下落は、ファンダメンタルズの変化ではなく、典型的な材料出尽くしによる売りと利益確定を反映した動きとみられる」と語った。
同社のADR上場は、海外企業の米国上場案件に対する投資家需要や、AI相場の持続性を測る試金石として注目を集めていた。SKハイニックスは、エヌビディアのAI向けプロセッサーに使用される広帯域メモリー(HBM)の主要供給企業として、世界の投資家から高い関心を集めている。
ブルームバーグ・ニュースによると、足元ではAI関連銘柄のバリュエーションの割高感や巨額投資への懸念が広がる中でも、今回の公募に対する需要は募集の7倍超に達した。ブルームバーグがまとめたデータによると、ADRの10日終値は、韓国上場株に対して約15%のプレミアムで取引を終えた。
同社の韓国上場株は、AIブームを背景にメモリー半導体価格が上昇し、過去最高益を更新したことで、2022年末以降に株価が25倍超となった。個人投資家による投機的な買いとレバレッジ取引の急増も株価上昇を後押しした一方で、株価は大きく変動しやすい状況となっている。
韓国株式市場は、サムスン電子とSKハイニックスという二大半導体メモリーメーカーの影響が大きく、相場は激しい変動にさらされている。韓国取引所は2000年以降、サーキットブレーカーが計13回発動されており、このうち7回は今年に入ってからだった。
市場の期待はすでに非常に高く、これを上回る業績を示すハードルは高まっている。韓国投資証券が13日に公表したリポートによると、SKハイニックスの直近四半期の営業利益は、市場予想を8%下回る可能性があると予測した。その理由として、売上高に占めるHBMの比率が高く、HBMの価格上昇ペースが従来型メモリー半導体よりも緩やかである点を挙げた。
生産能力の拡大やAI投資の持続性への懸念から、SKハイニックスの株価は6月に付けた過去最高値から35%以上下落している。
テクニカル指標も、年初の過熱局面から調整が進んでいることを示している。MRMリサーチのアナリスト、ニコ・ロスティ氏は、同社株は現在「深刻な売られ過ぎ」の水準にあると指摘。「あと1週間下落する可能性はあるが、それは買い増しの好機とみている。韓国市場で株価が反発すればADRも押し上げられるだろう。現在は買いの好機だ」と指摘した。
原題:SK Hynix Shares Plunge Most on Record in Deepening Korea Selloff(抜粋)
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