AI関連株は原油高でも軟調で、一段と弱さが意識される展開

7月7日の米国株式市場は、AI関連株の弱さが目立った。「中国のAI新興のDeepSeek(ディープシーク)がAI半導体を開発している」(NQN)といった個別の材料もあったが、このところのAI関連株の弱さが続いているとみるべきだろう。

例えば、7月2日に公表された雇用統計が弱い結果だったのにもかかわらず、AI関連株は買われなかった。以前であれば、景気の弱さが懸念されて業績の安定感を求めてAI関連株が買われそうな材料だったはずである。また、7月7日はホルムズ海峡でイラン革命防衛隊が商船にミサイルを発射したと伝わり、「米政府がイラン産原油の販売を許可していたライセンスを取り消すと明らかにした」(ロイター)とされ、原油価格が上昇した。これまではイラン情勢の悪化はAI関連株への資金逃避につながってきたが、この日はそのような動きは生じなかった。

これまでは、①インフレ懸念によって債券が買いにくく、②イラン情勢の悪化や原油高によって景気敏感株や消費関連株が買いにくいため、相対的にAI関連株が買われてきた面があったとみられる。現在はAI関連株の高値警戒感が資金の逃避先としての地位を低下させたと考えるべきだろう。新たな資金の逃避先がどこになるかという点が次のテーマになる。筆者は当面はインフレのコストを支払うために実体経済の弱さが目立ってくると予想しており、一旦は債券市場が逃避資金の受け皿になっていくと予想している。