(ブルームバーグ):AI関連企業による不動産需要が物流施設にも波及している。大規模データセンター周辺では、余剰スペースの消化が進み、賃料の上昇にもつながっている。
メタ・プラットフォームズやアルファベット傘下のグーグルなどの巨大テクノロジー企業は、データセンターの建設や保守に必要な機器を保管するため、物流施設を借りている。事情に詳しい複数の関係者が、非公開取引であることを理由に匿名を条件に明らかにした。
物流施設の需要拡大は、AIブームがもたらした波及効果の一つだ。AIブームは、ほぼあらゆる市場や業界に影響を及ぼしてきた。物流施設への需要は、新型コロナウイルス禍以降、物件の稼働率維持に苦戦してきたオーナーにとって追い風となっている。需要が旺盛な地域では、オーナーが賃料を引き上げられる状況になっている。

建設中のデータセンターが数多くあるため、工事が遅れることは珍しくなく、資材や機器をより長期間保管する必要が生じている。こうした状況を受け、建設や電気工事向けの資材を供給する企業による物流施設への需要も増えている。
ブラックストーンの米州不動産部門責任者、デービッド・レビン氏は、「データセンターや発電設備の建設現場では、大量の機器を保管する場所が欠かせない」と述べた。「データセンター関連企業はいずれも、倉庫スペースを必要としていると考えてよい」と話した。
過去9カ月間で、ブラックストーン傘下の物流施設事業会社リンク・ロジスティクスの米国内物件では、新規賃貸契約の約15%をデータセンター関連テナントが占めた。また、事情に詳しい複数の関係者によると、同社傘下のデータセンター事業会社QTSは、機器の保管を目的に物流施設を賃借したほか、倉庫も取得した。
ブラックストーンはQTSに関するコメントを控えた。メタはコメントを控えた。グーグルからはコメント要請への回答がなかった。
ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)によると、ワシントン都市圏では2025年に物流施設の新規賃貸契約の40%超をデータセンター関連テナントが占めた。24年の13%から大幅に上昇した。2500万ドル(約40億4900万円)超の取引を対象に集計したデータによると、同地域の物流施設の売買額は25年に約10億ドルと、前年の約3倍に拡大した。1平方フィート当たりの取引価格も39%上昇した。
主要市場では賃料も上昇している。JLLによると、データセンターが集まるバージニア州北部では物流施設の賃料が過去3年間で20%上昇し、全米平均の2倍に達した。
JLLの第1四半期リポートによると、全米の物流施設市場では空室率が7.5%と、22年の3.3%から上昇しており、厳しい状況が続いている。また、募集賃料は前年同期比0.8%の小幅な上昇にとどまった。
原題:Tech Giants’ Data-Center Fever Spreads to Adjacent Warehouses(抜粋)
--取材協力:Dawn Lim、Riley Griffin.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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