中国が米国の食肉処理施設数百カ所に対する輸入認可を更新した。現時点では米国産牛肉の対中輸出の回復には結び付いていないものの、今年後半には対中輸出が増える可能性が高まりつつある。

足元では、米国産牛肉価格の高止まりと中国需要の低迷を背景に、対中輸出はなお回復していない。5月の米中首脳会談を契機とする外交関係の改善にもかかわらず、貿易は依然として需給や価格といった商業上の要因に左右されていることが鮮明になっている。

一方、米中間の貿易休戦が維持されれば、今後は米国産牛肉の対中輸出を後押しする材料も見込まれる。中国が主要な牛肉供給国に割り当てた輸入枠の残りが少なくなっているためだ。オーストラリアは同枠を使い切り、高率の関税が課されているほか、ブラジルも上限に近づいている。

上海JCインテリジェンスのアナリスト、アリス・シュアン氏は「今年下期の米国産牛肉の対中輸出には依然として期待できる要素が多い。オーストラリアは輸入枠を使い切った一方、米国にはまだ十分な枠が残っており、大きな優位性となる」と指摘した。

米国産牛肉価格は、牛の飼養頭数が数十年ぶりの低水準に落ち込んだことを背景に過去最高値圏に上昇している。一方、中国では景気減速に加え、公務員に対して無駄な支出を削減するよう指示した影響で、宴席向けの高級部位に対する需要が落ち込んでいる。

中国の牛肉輸入量は昨年、少なくとも過去10年で初めて減少した。同時に国内生産は拡大し、価格上昇を抑える要因となっている。

中国の2025年における主要な牛肉輸入先はブラジル、アルゼンチン、オーストラリアだった。米国からの冷凍牛肉の輸入量は、貿易摩擦の激化を受け、4万9000トンにとどまった。中国政府は今年、国内産業の保護を目的に牛肉の輸入枠を設けた。

オーストラリアはすでに輸入枠を超過しているため、55%の関税が課される。シュアン氏によると、高級な米国産牛肉は品質・価格ともにオーストラリア産と同水準だ。

通常はより安価な牛肉を供給するブラジルも輸入枠の上限に近づいている。一方、米国は16万4000トンの輸入枠がほぼそのまま残っている。

農業コンサルティング会社グローバル・アグリトレンズの共同創業者、ブレット・スチュアート氏は、中国は米国産牛肉の輸入を確実に増やすとの見方を示し、米国が強みを持つ高品質な穀物肥育牛肉への需要は、中国の富裕層を中心に依然として存在すると指摘した。

一方、中国市場への米国産牛肉の流入が増えれば、肩肉やショートリブ、ハチノスなど、比較的手頃で風味豊かな部位についても競争が一段と激しくなる見通しだ。

原題:US Beef Exports to China to Pick Up as Rivals Exhaust Quotas(抜粋)

--取材協力:Michael Hirtzer.

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