米ヘッジファンド運用会社ローン・パイン・キャピタルのファンドは1-6月に43%のリターンを記録し、上期としては過去最高水準の成績となった。2026年のヘッジファンド業界でも有数の好パフォーマンスとなっている。

事情に詳しい関係者によると、1997年にスティーブン・マンデル氏が設立したローン・パインは、ヘッジファンドとロングオンリー戦略のファンドを合わせて250億ドル(約4兆520億円)超の資産を運用している。同社の広報担当者は運用成績や運用資産についてコメントを控えた。

規制当局への届け出によると、1-3月(第1四半期)時点での主要保有銘柄には、半導体製造装置メーカーのASMLホールディング、半導体試験装置メーカーのテラダイン、特殊合金メーカーのカーペンター・テクノロジーが含まれていた。これら3銘柄はいずれも上期に85%超上昇した。

関係者によれば、空売りポジションが運用成績に大きく寄与し、ヘッジファンドのリターンはロングオンリーの主力ファンドであるローン・カスケードの38%を上回った。

両ファンドとも、上期に10%上昇したS&P500種株価指数を上回ったほか、その約2倍の上昇率となったナスダック100指数もアウトパフォームした。

多くのファンドは未公開企業への大型投資が運用成績を押し上げているのに対し、ローン・パインの利益はほぼ全て上場企業の売買によるものだった。同社ヘッジファンドに占める未公開企業投資の割合は15%未満で、SpaceXの新規株式公開(IPO)前投資家でもなかった。

ローン・パインは今年、ラーフル・アン氏をポートフォリオマネジャーに昇格させた。同氏は在籍10年で、共同最高投資責任者(CIO)のデービッド・クレーバー、ケリー・グラナット両氏とともにポートフォリオ運営の意思決定を担う。マンデル氏(70)は2019年にファンドの日常的な運用から退いている。

ローン・パインのヘッジファンドの運用資産は現在50億ドル超と、2023年6月時点の48億ドルから増加した。一方、同社の資産拡大の大半はロングオンリー戦略のファンドによるもので、これらの運用資産は3年前には約100億ドルだった。

ローン・パインは今年に入り同業の有力ファンドを大きく上回る運用成績を上げている。創業者がマンデル氏と同様、故ジュリアン・ロバートソン氏のタイガー・マネジメントの出身者であることから、これらのファンドは「タイガー・カブズ(子トラ)」として知られる。

関係者の話では、フィリップ・ラフォン氏率いるコーチュー・マネジメントの上期リターンは24.5%だった。一方、アンドレアス・ハルバーセン氏が率いる運用資産260億ドルのバイキング・グローバル・インベスターズのリターンは2.5%にとどまった。

このほか、チェース・コールマン氏率いるタイガー・グローバル・マネジメントの主力ヘッジファンドは上期のリターンが15.1%、未公開企業への投資も含むクロスオーバー・ファンドは22.4%だったという。

原題:Lone Pine Gains 43% in First Half on Long and Short Bets (1)(抜粋)

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