(ブルームバーグ):モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏率いるストラテジストのチームは、投資家が今年大きく上昇したテクノロジー株の一部から資金を移す中で、米国株は伸び悩むとの見方を示した。
ウィルソン氏らは、投資家がAIのハイパースケーラーなど出遅れていた銘柄へ資金を振り向けているため、半導体株の勢いが弱まっていると指摘した。マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズといったハイパースケーラーについて、主力事業が堅調なため、AI関連銘柄の中でも魅力的だと述べた。
もっとも同氏は「指数構成比の大きい企業の一部で、モメンタムの巻き戻しが起きている」として、主要な米国株価指数は短期的に上値の重い展開が続くとの見通しを示した。また、この資金シフトは、「株式市場全体が不安定かつ軟調な中で続いている」と指摘した。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は、先月付けた過去最高値から約14%下落している。それでも、昨年9月以降では123%上昇しており、投資家はバリュエーションの急拡大を懸念している。一方、UBSグループが算出するハイパースケーラー株バスケットは同期間に2%下落した。S&P500種株価指数も、6月上旬に高値を付けて以降は軟調に推移している。
マイクロン・テクノロジーが6月、市場予想を大きく上回る売上高見通しを示したにもかかわらず、半導体株の上昇は続かなかった。投資家は現在、AI向け半導体需要を見極めるため、エヌビディアなどの決算発表を待っている。また、ハイパースケーラーがAIに過剰投資しているという最近の懸念から、各社の設備投資計画にも注目が集まりそうだ。
ウィルソン氏は、短期的には半導体関連株よりもハイパースケーラーを選好するとした。また、最近の株価低迷により、ハイパースケーラー各社は設備投資計画に対する市場の期待を軟化させる可能性があるとも述べた。
同氏はS&P500の年末予測を8000としており、現在の水準から約7%の上昇余地を見込んでいる。同氏は今年初め、堅調な企業業績を背景に、米国株は地政学リスクを乗り越えて上昇するとの見通しを示し、それを的中させた。
ウィルソン氏は、半導体株からの資金シフトにより、一般消費財、運輸、バイオテクノロジーの各セクターが恩恵を受けると予想している。
JPモルガン・チェースのストラテジスト、ミスラフ・マテイカ氏も、年後半には株式相場の上昇がテクノロジー株以外にも広がるとみている。マテイカ氏はリポートで「AIだけが市場をけん引するテーマであり続ける可能性は低い」と述べた。
原題:Morgan Stanley’s Wilson Sees Rotation From Chips to Hyperscalers(抜粋)
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