(ブルームバーグ):7月第2週(7月6日-10日)の日本株は下落する可能性が高いとみられる。投資家の間では、急拡大するAI関連の設備投資について収益性をより子細に見極めようとする動きが強まっている。加えて日本の通貨当局は円安けん制を強めており、為替市場の急変動が株式市場の悪材料となる可能性も意識されている。
AI関連設備投資の将来性について、市場でもさまざまな見方が交錯するようになり、4-5月にかけてほぼ一本調子で上昇してきたAI関連銘柄は、このところ振幅が大きくなっている。AI関連の投資が長期的には拡大するという見方から関連銘柄は引き続き上昇するとの見方がある一方で、巨額の設備投資負担が重荷になり、AI投資をけん引する米国のハイパースケーラー(大手クライド事業者)やAI開発企業の今後の収益性に影響が出ることを懸念する声も強まっている。
また、円が約40年ぶりの安値まで下落し、為替相場が不安定になりやすいことも悪材料だ。市場では政府・日本銀行が円買い介入を実施する可能性も意識されており、円高方向に振れた場合は業績見通しに下押し圧力がかかることも想定される。一方、円安が進む場合は業績面ではプラスとなるものの、国内のインフレ加速懸念や金利上昇につながるおそれもあり、株式市場のかく乱要因になる可能性もある。
7月第1週の東証株価指数(TOPIX)は週間で2.6%上昇した一方で、ハイテク株の比重が大きい日経平均株価は0.6%高にとどまった。AI関連銘柄に割高感や将来性の不透明感から売りがかさむ局面がみられた。一方で、米国とイランの間での暫定停戦合意が発効したことにより原油価格が下落、これまで見過ごされてきた景気敏感株には見直し買いが入った。
<市場関係者の見方>
三菱UFJアセットマネジメントの徳岡祥一チーフファンドマネジャー
来週の主な焦点は、為替市場と米ハイパースケーラーの収益性の2つと考える。ドルが160円を割れてくると株価の調整は大きくなる可能性がある。また、このところデータセンターの収益性に対する疑問が出ており、今後の業績見通しの見直しにつながるのか注意が必要だ。この2点を踏まえるとメインシナリオとしては相場は下方向だ。日経平均では6万5000円付近が下値のメドとなるだろう。
ニッセイアセットマネジメントの松波俊哉チーフアナリスト
米中間選挙の年は、6月にピークをつけ9月まで相場が崩れることが多い。また、米国の消費者物価指数(CPI)上昇率が3.5%を超えて上昇すると株価は軟調に推移する傾向がみられ、5月のCPIが4.2%になったことも心配材料だ。長期的に見ればAI相場の息は長いと考えているが、株価は来週も含めて当面下押ししやすい。暴落を想定しているわけでは全くないが、じわじわと下がり続ける展開がしばらく続くだろう。
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