(ブルームバーグ):米マイクロソフトは、家庭用ゲーム機「Xbox」の大幅値上げを発表した。消費者向けテクノロジー製品のコストを広範に押し上げている部品不足の危機を象徴する動きだ。現世代Xboxの値上げはこれで3回目となる。
8月1日から、512ギガバイトのストレージを搭載するXboxを100ドル(約1万6000円)、1テラバイト版を150ドル値上げする。また、これまで最上位ストレージ容量だった2テラバイト版を段階的に廃止する。
同社は25日、Xboxのニュースブログで「追加値上げをしなくて済むように、過去数カ月にわたりサプライヤーと対応を協議してきた」と説明。「残念ながら、ゲーム機向けストレージとメモリーの価格は2.5倍以上上昇しており、2027年秋までにさらに倍増するとみられる」とした。ゲーム機は他の消費者向け製品と異なり、通常は製造コストを下回る価格で販売されるとも述べた。
これに先立ち、アップルも25日に大半の製品で値上げに踏み切った。ただ、iPhoneは対象外だった。背景には、AI企業による大量購入でメモリーやSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)など部品への需要が前例にない水準に達していることがある。
特にゲーム機器では、過去2年間に値上げが相次いでいる。マイクロソフトはまず25年5月に「XboxシリーズX」と「XboxシリーズS」を値上げし、昨年10月にも再び価格を引き上げた。今回の新価格では、通常版のXboxシリーズXは800ドルと、20年の当初価格から300ドルの上昇となる。
ソニーグループも「プレイステーション」を複数回値上げしているほか、任天堂は「スイッチ2」の希望小売価格を9月に500ドルへ引き上げる。
米パソコンゲーム大手バルブは22日、待望のゲーム機「スチームマシン」について、価格が1000ドルを上回ると明らかにした。当初予定していた販売価格は「もはや成り立たない」と認めた。
調達コストは24年の5倍に上昇へ
マイクロソフトは過去10年、ゲーム機の販売台数と売上高でソニー、任天堂に後れを取ってきた。2月にトップに就任したマイクロソフト・ゲーミングのアシャ・シャルマ最高経営責任者(CEO)は、事業をより良い軌道に乗せるため、部門の改革と大規模な人員削減を計画している。
同CEOは今月に入ってXbox従業員に宛てた電子メールで、27年の年末商戦期までに、ストレージとメモリー部品の調達コストが24年の5倍に達するとの見通しを示した。
長引く部品不足は緩和の兆しが見えず、現在「プロジェクト・ヘリックス」と呼ばれているマイクロソフトの次世代ゲーム機と、その発売時期を巡る不透明感が強まっている。
Xboxのマシュー・ボール最高戦略責任者は今月、ゲーム業界イベント「ザ・ゲーム・ビジネス・ライブ」カンファレンスでのインタビューで、「ヘリックスについては、見直せるものは全て見直すべく懸命に取り組んでいる。発売する方針に変わりはない」と述べた。
シャルマ氏は他にも、Xbox専用タイトルを再び重視することで、ゲーマーの関心を取り戻そうとしている。ただ、そうしたゲームをプレーするためのXbox自体が、かつてないほど高くなっている。
マイクロソフトはブログ投稿で、価格上昇の衝撃を和らげるための措置を講じていると説明した。自社店舗でXboxを対象に後払いプログラムを提供するほか、アマゾン・ドット・コムでは金利ゼロの分割払いを用意する。小売業者と連携し、中古ゲーム機をより低価格で販売する新プログラムにも取り組んでいる。
原題:Microsoft Raises Xbox Prices for Third Time in 13 Months (1)(抜粋)
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