約40年ぶりの安値目前で下げ止まっている円相場は、対ドルでの月間パフォーマンスが主要10通貨(G10)の中で最も良好な通貨として6月を終える可能性がある。

円の月初からの対ドル下落率は26日午前時点で1.6%と、ユーロの2.5%やオーストラリア・ドルの3.9%、ノルウェー・クローネの6%超を下回る。円相場は依然、歴史的な安値圏にあるものの、2024年7月の安値である161円95銭近辺では日本の通貨当局による為替介入リスクが意識され、トレーダ-は一段の円安を見込んだ取引に慎重さを見せている。同水準を抜けると、円は1986年12月以来の安値水準に沈むことになる。

一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)の予想以上のタカ派傾斜を背景としたドル高は、他の通貨の重しとなっている。米国とイランの戦争終結に向けた恒久的な合意への期待から、原油価格も戦争前の水準に向けて下落している。原油高は日本の貿易赤字の拡大懸念を強め、円の下押し圧力となっていた。

みずほ銀行国際為替部為替スポットチームの田中潤平次長は、ここ1カ月ほどの円の相対的な強さは為替介入への警戒感だけでは説明できないと指摘する。原油価格の下落に加え、日本銀行の利上げで実質金利が徐々に切り上がっており、これまで円安を後押ししてきた要因は以前ほど強く作用していないと話した。

片山さつき財務相は23日、外国為替市場で行き過ぎた動きがあれば必要に応じて断固たる措置を取る方針を改めて強調した。こうした対応については日米間でも「お互いにしっかり合意している」と述べ、ベッセント米財務長官と22日夜に約1時間会談したことも明らかにしている。

三井住友信託銀行市場営業部ダイレクトディールチームの加藤倫義シニアアドバイザーは、当局の為替介入の警戒感から162円は抜けにくいと指摘。162円には一定量の通貨オプションが設定されていることが市場で強く意識されおり、同水準を抜ければドル高・円安が加速するとの見方がある一方、積極的にドルを買う動きは限られていると語った。

(5段落以降に片山財務相や市場関係者の発言内容を追記)

--取材協力:日高正裕、深瀬敦子.

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