(ブルームバーグ):米半導体メーカーのオンセミは、スマートデバイス向け半導体を専門とする米シナプティクスを買収することで合意した。全額株式による買収で、シナプティクスの価値を約62億ドル(約1兆円)と評価している。
両社の発表資料によると、シナプティクスの株主は、1株につきオンセミ普通株1.35株を受け取る。オンセミとシナプティクスの過去10営業日の終値に基づくと、約19%のプレミアムに相当する。債務を含む企業価値は約70億ドル。承認が得られれば、買収手続きは2027年半ばに完了する見通し。
オンセミは1年前、同業の米アレグロ・マイクロシステムズを69億ドルで買収する計画を断念した。買収に向けた「実行可能な道筋がない」と判断したためだ。今回の買収について同社は、電力・センシング事業の枠を超え、インテリジェントシステムへと事業領域を広げる狙いがあると説明した。
オンセミのハッサーン・エルコーリー最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「AIがクラウドの域を超え、自動車や産業分野をはじめとする物理世界に入り込む中、次のイノベーション段階では、リアルタイムで感知して判断し、動いて適応できるシステムが重要になる」と述べた。同CEOはブルームバーグとのインタビューで、「両社の製品群が補完関係にあるため、技術面でこの買収は非常に魅力的だ」と語った。
オンセミとシナプティクスはそれぞれ、業績見通しを改めて示した。25日のニューヨーク市場で、オンセミ株は2.6%高、シナプティクス株は3.45%安で取引を終えた。
同CEOはインタビューで、今回の買収は完了から1年半以内にはオンセミの利益押し上げ要因になるとの見方を示した。買収に伴い人員削減を行う可能性が高いとも述べ、「大半は営業費用に関わる部門になる」との見通しを示した。
また、「主に研究開発を維持」し、新製品に注力する方針だと説明した。
オンセミ側では、モルガン・スタンレーとJPモルガン・セキュリティーズが財務アドバイザーを務め、スキャデン・アープス・スレート・マー・アンド・フロムが法律顧問を務めた。シナプティクス側では、カタリスト・パートナーズが財務アドバイザー、ベーカーマッケンジーが法律顧問を務めた。
オンセミがさらなる合併・買収(M&A)を目指すのか問われた同CEOは、「今回の買収は株式による取引であるため、バランスシート面では完全な柔軟性がある」と述べた。
原題:Chipmaker Onsemi to Buy Synaptics in $6 Billion Stock Deal (1)(抜粋)
--取材協力:Matthew Monks、Michael Hytha.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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