米銀JPモルガン・チェースは、商業・投資銀行部門の共同最高経営責任者(CEO)であるトロイ・ロールボー氏とダグ・ペトノ氏の2人を共同社長に指名した。コンシューマーバンキング部門トップだったマリアンヌ・レーク氏が突然退任し、ジェイミー・ダイモンCEOの後継争いは新たな展開を迎えた。

今回の人事で、56歳のロールボー氏と61歳のペトノ氏の2人が、ダイモン氏の後継を争う構図となった。25日の発表資料によると、ロールボー氏はレーク氏の後任として、JPモルガンのコンシューマー・コミュニティー・バンキング事業を率いる。ペトノ氏は商業・投資銀行部門の単独CEOに就任する。

Photographer: Nathan Laine/Bloomberg

また、3年後に権利が確定するリテンションボーナス(引き留め報酬)も付与された。当局への届け出によると、ペトノ氏とロールボー氏にはそれぞれ3000万ドル(約48億5000万円)が支給される予定。

ダイモン氏は「今回発表した人事は、取締役会が慎重に進めてきた後継者計画と次世代リーダー育成のプロセスにおける重要な一歩となる」と述べた。

一方、レーク氏はスタッフに宛てたメモで、この夏に引退すると説明した。レーク氏は2019年までの6年間、最高財務責任者を務めていた。

ダイモン氏の後継者が誰になるのかという問題は、この10年にわたりウォール街で話題となってきた。後継候補と目される幹部が次々と台頭したものの、2006年からJPモルガンを率いるダイモン氏が引き続き実権を握り続ける中、その多くは同行を去っていった。

「レーク氏は最有力候補とみられていたため、今回の退任によってCEO後継争いの構図は変わる。さらに、歴代CEOへの登竜門となってきた社長職にペトノ氏とロールボー氏が就いたことで、両氏の存在感が高まった」と、キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ(KBW)のアナリスト、クリストファー・マクグラティー氏は指摘した。

次々と去った後継候補

ダイモン氏は20年以上前にJPモルガンのトップに就任した。当時は580億ドル規模の買収によって大幅に拡大した金融機関の経営を託され、その後は世界金融危機を乗り切るとともに、買収を重ねながら同行を率いた。

かつてダイモン氏の後継候補と目され、その後JPモルガンを去った多くの幹部は現在、ウォール街を代表する企業で経営トップを務めている。2014年にJPモルガンを退社したマイク・カバナー氏は、ダイモン氏が当時「残念な損失」と表現した人物で、その後カーライル・グループを経て、現在は通信会社コムキャストの共同CEOを務めている。

ダイモン氏の下で、JPモルガンはウォール街の経営者を育成する企業として知られるようになった。ビル・ウィンターズ氏は英銀スタンダードチャータードのCEOに就任したほか、チャーリー・シャーフ氏はビザを経てバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)に移り、現在はウェルズ・ファーゴを率いている。フランク・ビシグナノ氏は決済サービス大手ファースト・データに移った後、現在はトランプ政権で社会保障局(SSA)長官と内国歳入庁CEOを務めている。

原題:JPMorgan’s Lake Exits, Setting Up New Race to Succeed Dimon (3)、JPMorgan’s Rotating Cast of CEO Contenders Gets Another Shakeup(抜粋)

(第5段落以降を追加して更新します)

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