米レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングスの株価が24日に急落した。軟調な中古車市場が利益を圧迫する可能性に言及したほか、新たな資金調達計画を示したことが嫌気された。下落率は5年前の新規株式公開(IPO)以来最大となった。

同社は異例の手法で起債に臨む。3億ドル(約485億円)の「ペイメント・イン・カインド(PIK)」型転換社債を発行し、それと並行して、空売りに使われることを想定した株式1億ドル分を提供する。PIK方式では、現金での利払いを避け、利息相当分を元本に上乗せできる。

ハーツが24日に明らかにしたところによると、この株式は転換社債の購入者に対し、ヘッジ目的で空売りするために提供される。発行に関する発表資料に先立って提出した規制当局への届け出で、同社は4-6月(第2四半期)の利益が予想レンジの下限に向かって推移していると述べた。

一連の発表を受け、ハーツ株は24日に41%急落。2021年の上場以来、最大の下げとなった。

ネーションワイドの市場戦略責任者、マーク・ハケット氏は「同社が抜本的な対応が必要だと認識している兆しだ」と指摘。「ハーツを巡る状況は以前から脆弱(ぜいじゃく)だった。今日の売りの動きは、これまで持ちこたえてきた投資家が見切りをつけた可能性がある」と述べた。

ハーツの株価は2021年の上場以来、最大の下げとなった。

通常、転換社債の購入者は、ポジションをヘッジするために社債と並行して株式を購入する。ただ、ハーツの場合、既存株の多くは機関投資家やプライベートエクイティー(PE)投資家に集中しており、既に大きく空売りされている。そのため、借り入れて空売りできる株式数が現時点では限られていることから、追加で株式を発行することになった。

空売りされる株式は、株式発行の引受会社の一つで、今回の社債発行をアレンジする銀行団にも入っているJPモルガン・セキュリティーズが借り入れる。

ハーツは回転信用枠の一部が今月満期を迎える。これにより、同社には第一順位抵当権付き債券を追加発行する余地が生じる。転換社債の発行はハイイールド債よりコストを抑えられ、PIK構造のため現金での通常利払いを避けられる。

同社は社債発行で得た資金を既存債務の返済に充てると説明した。

ミラー・タバックの市場戦略責任者、マット・メイリー氏は1億ドル分という株式の発行規模について「2500万株を超え、浮動株の21%に相当する」と指摘。「かなり希薄化を伴う発行になる」と述べた。

ハーツは届け出で、「中古車市場の予想外の軟化」により減価償却費が増えると説明した。その結果、4-6月期の調整後EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)は8000万ドル以下となり、ブルームバーグが集計したアナリスト予想を下回る見通しだ。

今回の減益見通しに関する説明は、同社の不安定な局面が続いていることを示す。過去1年の大半を通じ、事業のスリム化、中古車をより高収益で売却する手段の開拓、需要の高い車種を増やすことによる保有車両の刷新に取り組んできた。減価償却費の抑制が狙いであり、今年の黒字化を目指す同社にとって重要な目標となっている。

原題:Hertz Stock Drops a Record 41% on Profit Warning, Funding Plan(抜粋)

--取材協力:Rick Clough.

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