スペースXは、大規模な借り入れ拡大の第一歩として、初めて投資適格級社債の発行に乗り出す。750億ドル(約12兆1300億円)規模の記録的な新規株式公開(IPO)を経て、人工知能(AI)事業への投資を加速する。

事情に詳しい関係者によると、スペースXにつなぎ融資を提供したバンク・オブ・アメリカ(BofA)、シティグループ、ゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーが、22日に投資家向け説明会を実施する予定だという。この関係者によると、その後に社債発行が予定されており、償還期間は5-30年になる見込みだ。

ブルームバーグは先週、スペースXがこの起債で少なくとも200億ドルの調達を目指していると報じた。調達資金は、ほぼ同額のつなぎ融資の借り換えに充てられる見通しだ。このブリッジローンは、スペースXが抱える291億ドルの長期債務の大部分を占めている。

スペースXが社債発行に乗り出すと伝わったことで、22日の株式市場で同社株価は一時12.7%下落。それでもなお、IPO価格を上回る水準を維持している。

スペースXは、大規模な借り入れ拡大の第一歩として、初めて投資適格級社債の発行に乗り出す

社債活用

ムーディーズ・レーティングスとフィッチ・レーティングスは、スペースXの債務にそれぞれ「Baa1」と「BBB+」の格付けを付与した。いずれも投機的等級(ジャンク級)を3段階上回る。S&Pグローバル・レーティングは1ノッチ低い「BBB」の格付けを付与した。

スペースXはIPOにより、世界有数の時価総額を誇る上場企業の一つとなり、創業者のイーロン・マスク氏は世界初のトリリオネアとなった。同社が当局に提出した書類によると、19日時点の現金・現金同等物は約1010億ドルに達した。

事情に詳しい関係者によると、スペースXのブレット・ヨンセン最高財務責任者(CFO)とグウィン・ショットウェル社長は、これまで株式投資家向け説明会で、今回のIPOが同社の最後の株式売却になるとの見通しを示している。

関係者によると、同社はIPOの過程で投資適格級の格付けをアピールしてきたこともあり、株主やマスク氏自身の持ち分の希薄化につながる株式市場ではなく、債券市場からの資金調達を検討している。

AI起債ブーム

マスク氏はこれまで、自身の企業の買収や事業拡大のために債券市場を積極的に活用し、銀行団から数十億ドル規模の融資枠を確保するなど、複雑な資金調達を行ってきた。

だが、マスク氏が率いる企業がこれまで公募市場で投資適格級の社債を発行したことはなかった。同氏はX(旧ツイッター)への投稿で、テスラの信用格付けについて「馬鹿みたいに低い」と不満を示している。

オッペンハイマーのティモシー・ホーラン氏率いるアナリストチームは、スペースXの純有利子負債が2031年までに4000億ドル超増加すると予想している。現在の米国企業のほぼ全ての債務の合計を上回る額で、オラクルの負債規模の3倍超に相当する。

AIブームを支えるテクノロジー企業では、大型起債ラッシュが起きている。

JPモルガンのストラテジストによると、アルファベットやアマゾン・ドット・コムなどは昨年11月以降、AI関連投資のために複数のクレジット市場で計3000億ドル超の資金を借り入れた。その結果、今年の社債発行額は過去最高水準に近づいている。

投資家はこれまでのところ、その供給を難なく吸収している。エヌビディアによる250億ドル規模の社債発行の際は、募集額の3倍を超える需要が集まった。

原題:SpaceX Readies Its $20 Billion Bond Debut to Fund AI Ambition(抜粋)

(4段落に株価を入れて更新します)

--取材協力:Davide Barbuscia.

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