19日の世界の株式市場では慎重なムードが広がった。米国とイランの暫定和平合意への安堵(あんど)感が後退し、持続的な合意の実現に伴う課題へと市場の関心が移っている。

米国市場は奴隷解放記念日「ジューンティーンス」の祝日で休場となる中、S&P500種株価指数先物は0.2%安。欧州のストックス600指数は0.2%下落した。中国本土、香港、台湾の市場も休場だった。

外国為替市場では、円が対ドルで前日終値近辺の1ドル=161円台前半で小動きとなった。前日のニューヨーク時間には一時161円81銭と2024年7月の安値(161円95銭)に接近。日本の通貨当局による円買い介入への警戒がくすぶっている。

スイスで19日に予定されていた恒久合意に向けた協議は延期された。事情に詳しい関係者によると、レバノンでイスラエルと親イラン武装組織ヒズボラとの間で武力衝突が発生し、協議延期の要因となった。ただ、米政府当局者によると、イスラエルとヒズボラは現地時間午後4時から停戦することで合意した。イランは、レバノンでの停戦を米国との暫定合意の条件としている。

北海ブレント原油先物は0.9%上昇し、1バレル=80ドルを上回って終えた。週初から18日までに7.7%下落していたが、その下げ幅を縮小した。

ホルムズ海峡を通過する船舶の往来は、前日に急増した後、19日は減少しているようだ。一方、テヘランは同海峡を通過する船舶について、イランの許可が必要だと表明した。

こうした動きは、市場の楽観論に対する試金石となっている。米国とイランが数カ月に及んだホルムズ海峡の相互封鎖を解除したことを受け、テクノロジー株主導の株高は一段と勢いを増していた。19日に予定されていた協議は、イランの核開発を巡る最終合意に向けた60日間の交渉期間の開始となるはずだった。

インドスエズ・ウェルス・マネジメントのアレクサンドル・ドラボウィッツ氏は「もちろん、トランプ氏のことだから、途中で頓挫する可能性は常にある。しかし、われわれは緊張緩和の新たな局面に入ったと考えている」と述べた。その上で、「60日間の交渉が予定されている」とし、恒久的な和平合意について性急に結論を出さないよう投資家に助言した。

ブルームバーグが実施したストラテジスト調査によると、S&P500種の年末予想は1カ月前から引き上げられた。イランとの戦争による混乱が和らいだことに加え、企業業績の見通しが改善したことが背景にある。

ストラテジストの平均目標値は、5月の7612から7716へ引き上げられた。これは直近終値を約3%上回り、年初からの上昇率が約13%に達する水準だ。今年と来年の利益予想も上方修正された。

シンギュラー・バンクの戦略責任者、ロベルト・ショルテス氏は「今後数週間は珍しく、重要な材料に乏しくなるようだ」と指摘。「慌ただしかった1年を経て一息つく機会になればよい。セクター間の資金シフトが進む時期になる可能性もある」と述べた。

欧州

19日の欧州市場では、英国債が下落。英国の次期首相の有力候補とも目されているバーナム・マンチェスター市長が18日投開票の下院補欠選挙で勝利し、スターマー首相に挑戦する道が開かれたため、政治的な不透明性が意識された。

政策や政治のリスクへの感応度が高い長期物がとくに売られ、英10年債利回りは8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して4.84%、30年債利回りも8bp上昇し5.54%に達した。

この日は米国とイランが最終的な和平合意に向けた交渉の開始を延期したことが嫌気され、債券は世界的に売られた。イタリア30年債利回りも8bp上昇して4.54%、ドイツ30年債利回りは7bp上昇して3.54%となった。

フランクリン・テンプルトンの欧州債券責任者デービッド・ザーン氏はブルームバーグテレビジョンで「英国債利回りのボラティリティーは今後高まりそうだ」と述べ、「市場は不透明性を嫌う。従って、どうなるか分からないというだけで、厳しい状況になる」との見解を示した。

イラン戦争で既に押し上げられていた英長期債利回りは、バーナム氏が国政復帰を目指すと表明した5月、1998年以来の高水準を付けた。同氏は補選勝利で与党・労働党の党首に挑むことが可能になった。これに対しスターマー氏は党首選を受けて立つ意向を示し、英国の政治的不透明性は夏の間続きそうな様相だ。

株式は指標のストックス欧州600指数が小幅続落。イランが米国との交渉開始を延期し、方向感のない展開が続いた。

指数は0.2%安で取引を終了。一時0.2%上昇した場面もあった。鉱業や小売り、消費財が売られた。

一方、エネルギーやメディアは堅調。デンマークの製薬大手ノボノルディスクは投資判断の引き上げを受け、4.6%高となった。

6月19日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:Stocks Stall as Iran Nuclear Talks Hit Early Snag: Markets Wrap(抜粋)

UK Bonds Fall as Burnham Win Leaves Markets Speculating on Risks

Gilts Drop Led By Long-End on Political Limbo: End-of-Day Curves

(直近のレートを加え、第9段落以降に詳細を追加して更新します)

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