ヘッジファンドを含む為替トレーダーは、ドルの一段高を見込むオプション取引のポジション(持ち高)を増やしている。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派的な政策決定によって、米国の金利がさらに上昇するとの見方が強まったためだ。

市場関係者によると、レバレッジファンドは17日から、ドル高が進むほど利益が得られるドルのコールオプションの購入を開始した。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ新議長が示したインフレ抑制への強い決意に市場が動揺する中で、コールオプションの需要は18日も続いた。

バンク・オブ・アメリカで米州為替オプション責任者を務めるトビアス・ユングマン氏は、対G10通貨を中心に「大口のドル・コール買いが見られている」と指摘。ドルの予想変動率(インプライド・ボラティリティー)が現在低い水準にあることを踏まえれば、オプションを利用してドルロングのポジションを構築するのは「魅力的」に映ると語った。

米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが明らかにした18日のデータによると、ドルがポンドに対して上昇することに賭けるコールオプションの取引量は、ドル安を見込むプットオプションの5倍超に達した。

また、ユーロに対するドルのオプション取引は3月3日以来の高水準に上り、2億ユーロ(約370億円)以上に相当する大型のコールは同規模のプットの約2倍に達していることが、米預託信託決済機構(DTCC)のデータで明らかになった。

バークレイズ銀行の為替オプションシニアトレーダー、ジェームズ・スウィンデル氏(ロンドン在勤)は、「ドル・コールオプションへの需要は全般的に大きく、特に対ユーロと対ポンドのバニラオプションやデジタルオプションの需要が目立っている」と述べた。

バニラオプションとは特別な条件が付かない標準的なオプションを指す。一方、デジタルオプションは、満期時に為替レートがあらかじめ定められた水準に到達していれば、一定額が支払われる仕組みのオプションだ。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は19日に3日続伸の勢いで、週間で約1%の上昇に向かっている。短期金融市場では、10月までに米国で0.25ポイントの利上げがある可能性が完全に織り込まれている。

米国の金利上昇は、米国債やドルの魅力を高めることになる。

ドル・円は比較的均衡

ドル・コールオプション需要が全般的に強い中でも、ドル・円についてはポジションが比較的均衡している。

その背景には、円相場が2024年7月以来の安値に下落したことを受け、日本の財務省が円防衛を強化するとの警戒感がありそうだ。片山さつき財務相は19日、「投機的な動きがあれば断固とした措置を取っていく」と発言した。

バークレイズのスウィンデル氏は、「ドル・円は状況がはるかにもっと複雑だ。円下落が続くとの見方と、介入による急速な反転を見込む投資家の間で、大きな隔たりがある」と述べた。

原題:Currency Traders Pile Into Dollar Call Options After Hawkish Fed(抜粋)

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