米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ率を2%の目標水準へ引き下げることに本気で取り組むのであれば、利上げに踏み切る可能性がある――。ベテラン市場ストラテジストのエド・ヤルデニ氏はそうした見方を示した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は16-17日の定例会合で政策金利を据え置いた。一方、ウォーシュFRB議長は初の記者会見でタカ派色の強い姿勢を鮮明にし、市場を驚かせた。

自身の名を冠した投資調査会社の社長兼チーフ投資ストラテジストを務めるヤルデニ氏はブルームバーグテレビジョンで、「私にとって特に印象的だったのは、ウォーシュ議長自身がそう述べていたことだが、『われわれは5年以上にわたり、2%のインフレ目標を達成できていない』という点だ」と語った。その上で、「利上げをせずに、どうやってそれを実現するのか。市場はようやく正しく認識し始めたと思う」と述べた。

ウォーシュ議長が記者会見で、インフレを容認しないとの姿勢を強く打ち出したため、17日の米株式相場は下落し、短期国債利回りは急上昇した。かねて金融当局の予測やコミュニケーションのあり方を批判してきたウォーシュ議長は、金利予測分布図(ドットプロット)公表に向けた予測提出にも参加しなかった。このため投資家は金融政策の手掛かりを得られず、より大きな不確実性を織り込むことを余儀なくされた。

エド・ヤルデニ氏インタビュー

ヤルデニ氏はウォーシュ議長が労働市場よりもインフレや物価安定についてはるかに多く言及した点を指摘。議長は2%のインフレ目標達成に向けて、曖昧さを残さず取り組む姿勢を示したようだと述べた。

ヤルデニ氏はウォーシュ議長について、グリーンスパン元議長を思わせるとし、「情報はそれほど多くなく、曖昧さがあり、時には驚きもある」と評した。ウォーシュ議長は就任当初こそ、トランプ大統領に対してハト派寄りの姿勢を示唆していた可能性があるが、その後すぐに「従来のウォーシュ氏」に戻り、物価安定に重点を置くようになったとの見方を示した。

ヤルデニ氏はガソリン価格が下落していることも挙げ、総合インフレ率の大幅な低下につながる可能性があると指摘した。その場合、ウォーシュ議長は「運よく」FRBによる対応を回避できる可能性があると述べた。仮に利上げが実施されたとしても、0.25ポイントまたは0.50ポイントの引き上げは大きな問題にはならないと話した。その上で、そうした利上げが行われれば、債券相場はむしろ上昇する可能性があるとの見方を示した。

原題:Yardeni Says Fed May Hike If Serious About 2% Inflation Target(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.