(ブルームバーグ):米オラクルの株価が10日の時間外取引で下落した。同日発表した3-5月(第4四半期)の設備投資額が予想を上回り、人工知能(AI)インフラ事業の収益性を巡り、投資家の懸念が強まった。
主にデータセンター関連支出を示す設備投資額は3-5月期に約165億ドル(約2兆6500億円)だった。年間累計では557億ドルとなり、同社が示していた年間500億ドルの支出見通しを上回った。
決算発表後の電話会見でヒラリー・マクソン最高財務責任者(CFO)は、2027年5月期の純設備投資額が約700億ドルになるとの見通しを示した。ただ、一部部品を前払いする影響で、会計報告上の設備投資額はこれを200億-250億ドル上回る見込みだと説明した。
データベースソフトで長年知られてきたオラクルは近年、AI向けの計算能力を提供する企業へと姿を変えている。OpenAIなどの顧客向けにデータセンターの大規模整備に乗り出している。その資金需要に対応するため、26年5月期には負債による資金調達で430億ドル、株式発行で50億ドルを調達した。
27年5月期には、負債と株式でさらに400億ドルを調達する計画だ。この中には、既に公表済みのアット・ザ・マーケットのプログラムによる200億ドルの調達も含まれる。
テクノロジー業界では、前例のない規模の負債を通じた投資拡大が十分なリターンを生むのか、新たな疑念が広がっている。オラクルの債務残高はブルームバーグの米投資適格社債指数を構成する分だけで約1170億ドルに上り、金融セクターを除けば最大の発行体となっている。

オラクルの株価は201.26ドルで取引を終えた後、時間外取引で一時約5%下落した。
3-5月期の売上高は前年同期比21%増の192億ドルだった。一部項目を除いた1株利益は2.11ドル。ブルームバーグが集計したデータによると、アナリスト予想平均は売上高191億ドル、調整後1株利益は1.97ドルだった。
注目されるクラウドインフラ事業の売上高は58億ドルと、前年同期比93%増となった。伸び率は市場予想の91%をやや上回った。
ソフトウエアアプリケーションとインフラを含むクラウド事業全体の売上高は、6-8月(第1四半期)に約61%増加する見通し。この予測は市場予想平均の62%増をわずかに下回った。
受注残高を示す残存履行義務(RPO)は四半期末時点で6380億ドルとなり、アナリスト予想平均の5895億ドルを上回った。オラクルによると、新規受注の大半は大規模なAI関連契約で、顧客が業務に必要なサーバーの費用を前払いする形となっている。
同社は「これにより、AIデータセンターの整備に向けてオラクルが調達しなければならない資金額は大幅に減少する」と説明した。
クレイ・マグワイク共同最高経営責任者(CEO)は電話会見で、OpenAI向けの大規模データセンター計画は「大きく進展している」と述べた。主力拠点である米テキサス州アビリーンの施設では、既に計画容量の42%を提供しており、今後3カ月でさらに35%を引き渡す予定だという。
オラクルは3月以降、全社で数千人規模の人員削減を進めている。アナリストの間では、こうした措置が利益率の向上につながり、データセンター投資による巨額のコスト負担を和らげるとの見方が出ている。同社によると、26年5月期の事業再編費用は18億ドルと、前年の約5倍に膨らんだ。
原題:Oracle Falls After Data Center Costs Overshadow AI Growth (3)(抜粋)
(3段落目以降にCFOやCEOの発言を追加して更新します。更新前の記事で四半期の設備投資額を訂正済みです)
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