(ブルームバーグ):パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、人工知能(AI)への巨額投資によって経済の勝ち組と負け組の差が広がり、信用力の低い借り手が影響を受ける可能性があるとして、「信用損失サイクルが始まっている」と警告した。
ピムコのリチャード・クラリダ氏らは、最新の年次長期見通しリポートで、「デフォルトサイクルが再び顕在化している。レバレッジドローンやプライベート・ダイレクトレンディングなど、信用力の低い債権では損失が大幅に増加すると予想している」と述べた。
運用資産2兆3000億ドル(約369兆円)のピムコは、今後5年間でAIインフラ整備が経済の行方をより不確実なものにする一方、財務基盤の弱い借り手、負債の多い借り手をより厳しい状況に追い込む可能性があると指摘した。
高格付け社債のクレジットスプレッドは、過去約30年で最低水準近辺にある。最近の世界的な債券売りにもかかわらず、利回り上昇が投資家を引き付け、リスクの高い債券の需要も底堅く推移している。
ピムコは、こうした状況は「長期的な不確実性の高まり」と矛盾していると指摘し、「私たちはこれを強さではなく市場の油断と解釈している」と述べた。
リポートでは「借り手が新たな借り入れによって既存債務を返済できる満期延長やペイメント・イン・カインド(PIK)型の資金調達が増えている」とも指摘した。こうした傾向は「より本格的なデフォルト増加局面が進行しつつあることを示しており、投資家は、以前のような急速な回復が、同じような確実性で繰り返されると期待すべきではない」と述べた。
ピムコは、AIブームの影響の一つとして、賃金上昇圧力の低下と生産性向上があり得るとの見方を示した。これが「強力なディスインフレ要因」になる一方で、「地政学的ショックやサプライチェーン再編が物価上昇圧力をもたらす可能性が高い」としている。
こうした環境により、ピムコは「今後5年間、中銀はインフレ期待を安定させるために必要なあらゆる措置を講じる。そのため国債は利息収入に加え、将来の景気後退局面では値上がり益を得られる可能性を提供する」と予想した。
原題:Pimco Says ‘Credit Loss Cycle’ Has Begun, Favors Quality Bonds(抜粋)
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