(ブルームバーグ):ニューヨーク市会計監査官のマーク・レヴィーン氏は、新規株式公開(IPO)を今週に控える米宇宙開発企業スペースXについて、イーロン・マスク氏に前例のない支配権が認められることは、一般株主の権利軽視が新たな次元に達したことを意味すると警戒感を示した。
レヴィーン氏はインタビューで、「創業者がより強力な支配を求める時代だと承知している」としながらも、マスク氏のスペースXでの計画は「われわれの経験をはるかに超え、前例がない」と語った。
過去最大規模と見込まれるスペースXのIPOは、熱狂的な関心を集めている。しかし、投資家は株式購入に当たり、マスク氏に議決権の約80%を与えるガバナンス(企業統治)を受け入れる必要がある。同氏は最高経営責任者(CEO)と最高技術責任者(CTO)、取締役会議長も兼務する。
スペースXのIPOに備える調整を市場が迫られる状況で、同社株に投資しない判断は、インデックス運用を行う大手投資家にとって容易な選択ではない。ニューヨーク市の公的年金基金で、アクティブおよびパッシブ運用される約3000億ドル(約48兆円)のポートフォリオを管理するレヴィーン氏は、スペースXを投資対象から外す判断は「非常に難しい」と認めた。
「これまで行ったのはセクターベースの除外だけだ。単一企業を除外したことはない」と述べ、スペースXを排除するようなことは「前例がなく単純な話ではない」と説明した。
旺盛な需要を背景に著しい応募超過となったスペースXのIPOは、11日に価格決定が行われ、翌12日に取引が開始される予定だ。750億ドル規模のIPOで、同社の企業価値は約1兆8000億ドルと評価される。
原題:NYC Pensions Slam SpaceX Risks as Musk Gets Near-Total Control(抜粋)
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