(ブルームバーグ):アシックスは10日、プレミアムブランドの「オニツカタイガー」関連事業を分社化すると発表した。より独立性の高い事業運営体制にすることで、意思決定の迅速化に取り組む。
アシックスは100%出資する「OTグループ」を設立し、事業を承継する。会社分割の効力発生日は2027年1月1日。組織再編に伴う連結業績への影響は軽微としている。

広田康人会長CEOは同日の会見で、分社化の狙いについて、オニツカタイガーの独自路線を加速させることだと説明した。「個性を際立てたい。ファッションブランドとしてその位置を確立するためには、独自の経営組織の下で行った方が有利であろう」と語った。
同ブランドについては、中長期的に売上高2000億円規模を視野に入れる考えも示した。27年12月期には1520億円を見込んでいる。ただ、現時点で新規株式公開(IPO)の計画はないという。
オニツカタイガーは、幅広い世代から支持を集めて成長が続いている。前期(2025年12月期)には、日本を含む全地域で2桁以上の増収を達成し、全社業績をけん引した。
特にインバウンド需要も追い風だ。円安を背景に訪日客にとって割安感が高まっており、販売好調が続いているという。7月には新宿に世界最大のグローバル旗艦店を出店する。27年2月にはロサンゼルスに出店し、米国に再進出する。
岩井コスモ証券投資調査部フェローの有沢正一氏は、オニツカタイガー事業は他の事業とは異なる戦略で展開しており、「分社化により、より自由な戦略をとっていけるという意味ではポジティブだ」と述べた。
また、同氏は同事業の粗利益率が75%と、米半導体大手エヌビディアに匹敵する水準だと指摘。「これだけ高い採算性を維持しながら成長しているのであれば、まだまだ伸びる余地はある」と評価した。
同社株は、正式発表に先立って分社化検討を開示したことを受けて続伸し、一時前日比4.9%高の4626円と、5月29日以来の日中上昇率を付けた。終値は0.7%安の4380円。
(情報を追加して更新します)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.